声優になる!マガジン
2004.07.21  vol. 5
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのオオネダです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
今週から4週にわたりご登場いただく声優さんも、またまた「声」のスペシャリスト。
あの、声優さんにご登場いただきます!

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私が声優になったワケ
声の仕事で見つけた自分の居場所。声優・甲斐田ゆきインタビュー
声優になったきっかけや、声優という仕事について語っていただく「私が声優になった理由(わけ)」、2人目のゲストは、『ハンター×ハンター』クラピカや、『テニスの王子様』不二周助役で活躍する甲斐田ゆきさん。その活動は、アニメのアフレコだけでなく、ナレーション、ラジオなど幅広い。
第1回目は、自ら“演劇少女”だったという、小学生から高校生までの甲斐田さんに迫ってみたい。
■ Profile ■
甲斐田ゆき(かいだゆき)
11月30日生まれ。東京都出身。米国留学後、舞台、ラジオ、ナレーション等、多方面で活動。近年は声優としても『ハンター×ハンター』クラピカ、『テニスの王子様』不二周助、『花右京メイド隊La Verite』花右京太郎など、様々な話題作品に出演。また、CDドラマに出演するなど、幅広く活動をしている。現在、主人公・安部昌浩役で出演しているCDドラマ『少年陰陽師』が絶賛発売中。

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ホームルームの時間に思わぬことを
インタビューのはじめに3つだけ言っておきたいことがあります。
私が今仕事をしているのは縁があったからということ。この仕事が確実にできる方法は絶対にないということ。今回お話しするのはあくまで私の場合の話で、私にとっては真理でも、全ての人にあてはまる訳ではないということ、を踏まえて聞いてください。

―― わかりました。

それだけ前置きしておけば一応言い訳になるかなと(笑)。

―― 甲斐田さんは昔からお芝居が好きだったんですか?

劇的なエピソードは何もなくて申し訳ないんですが……。好きだったんでしょうね。一番具体的な古い記憶は、小学校2年生のときに、担任の先生にいきなりお願いをして、授業をつぶさせて友達と2人で15分くらいの即興劇をやったことかな。即興劇っていったって、単なる“ごっこ”みたいなものでした。“オチ”もなかったです。

私はどちらかというとおとなしい子供だったのですが、人前で演じることは大好きで、小学校のお楽しみ会とか学芸会では突然はりきっていました。小学生のころは童話作家になりたいって思っていたんです。本を読んだりするのが好きで、想像の世界が好きな少し暗めの危なめの子供だったと思います(笑)。

中学校は演劇部がなかったので必修クラブで演劇クラブに入ってクラブ長をしていました。文化祭などで発表するぐらいでしたが。その頃に、“声優”という職業があることを知って、友達とラジオドラマのまねごとをしたりもしていました。部活はバドミントン部だったけど、演劇部があったら入っていたと思います。

高校は、演劇部と1学期だけだまされてラグビー部のマネージャーをしました。誘われて試合だけ観にいったら、部員やOBとかに囲まれて、「この子が次のマネージャーになる人」みたいな。初対面なのに「マネージャーのゆきちゃん」とか言われてしまって、なし崩し的になりました。

―― ラグビー部のマネージャーは大変だったでしょうね。

合宿が特にきつかったですね。洗濯がたいへんでした。すごい量のジャージで、なんで夜中に手洗いしなきゃいけないの? って思っていました。ラグビー部の合宿のせいで演劇部の稽古を休まなくちゃならなくて、当然、公演にでられなかったり。

お芝居はよく観にいきましたね。当時高校生なのでお金がなかったので、劇団のアトリエ無料公演とか、どうしても観にいきたい劇団でも、チケットは700円ぐらいまでとか。大きな舞台は親がもらってきたチケットで国立劇場とか歌舞伎座とか連れて行ってもらったくらいですね。
レッスンと観劇に夢中だった高校時代
―― 高校での演劇部のレッスンはどのようなものだったのですか?

もうほんとに普通の稽古でしたよ。発声だとかいろいろですね。演劇部OBで、当時有名小劇団に入った大学生の先輩たちが遊びにきて、そのメソッドみたいなものを教えてくれました。私はその頃の小劇場の空間が大好きでした。私が唯一入りたかった劇団もありました。そこ以外にもたくさんの小劇団の公演を観にいきました。演劇が大好きな、いわゆる“演劇少女”だったんです。

実は、その入りたかった劇団のオーディションを高校生のときに受けたんですよ。私が受けた回は誰も合格しなかったのですが、その当時その劇団にいたOBがそのオーディションの評価表を覗き見てくれて、その劇団代表者以外の評価はまあまあだったらしいです。年齢制限はなかったのですが、高校生は入団させる気はなかったんじゃないのかなって、勝手に自分に都合よく解釈していました。合格しなかったのは自分の実力がなかったせいではなく、年齢で不合格になったんだって(笑)。若いって恐ろしいですね。


「私が声優になった理由」、2人目のゲストは甲斐田ゆきさん。今回も4週にわたりお届けします。次回(7/28配信)もお楽しみに!

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム
発声について

腹式呼吸によって吐き出された空気は声帯運動、共鳴を経て音になります。
まずは発声の基本トレーニングをしてみましょう。

自分のベースとなる声の確認

【1】1拍で息を吸う
【2】「ンー」とハミングし、その音を鼻に当てる(=共鳴させる)
【3】音が共鳴し、鼻がムズムズしてきたら、その共鳴を顔全面に広げる気持ちで「ンー」から「アー」へと音を移していき、できるだけ声を長く出す

※喉に力を入れてはいけません。喉よりも共鳴させる鼻や顔面を意識しましょう。

喉を開くトレーニング

【1】「ラッ、ラッ、ラッ、ラッ」スタッカートで4拍発声する
【2】「ラー」の音を途中で高く上げて、再び元の高さに下げ、滑らか伸ばして発声する
【3】【2】と同じ要領で、今度は途中で音を低く下げてから再び元の高さに上げる

※共鳴を感じられる発声ができているときは、喉が開いている状態です。この感覚をつかみましょう。

強い声、遠くに飛ばす声のトレーニング

【1】壁から1m離れたところに立つ
【2】壁に向かって「アー」と声をぶつける
【3】声を壁にぶつけられるようになったら、今度は3m離れたところに立つ
【4】壁に向かって「アー」と声をぶつける

※壁との距離に応じて必要な声の大きさ、呼気の量が変わってくることを意識しましょう。
はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編(CD付)
「耳で聞いて学ぶ」ことの大切さに注目し、ひとりでもより効果的に学べるように、発音練習から朗読、ナレーション、オリジナル・ラジオドラマまで、プロの技術を完全収録
雷鳥社/1‚890円(税込み)

声優になるための練習問題100
「声優」になるために必要な知識や技術のほか、オーディションの内容からアニメ・洋画などさまざまな仕事の情報までを、わかりやすく解説。声優に「なりたい」を「なる」に変えるための入門書
雷鳥社/1‚470円(税込み)



編 集 後 記
仕事の合間に時間を作ってくれてインタビューに応じてくださった甲斐田さん。とても“普通”ということを大事にされていて、そして“普通”ということの凄さも感じさせてもらいました。水のように自然な人という印象でした。きっと皆さんに何かを残してくれるインタビューになっていると思います。(Hashimoto Takahiro)
問 い 合 わ せ
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