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折笠愛ミニアルバム+DVD「mono-gatari」 2004年10月15日発売。アコースティック・サウンドのやさしい調べにのせ、あのピュアな歌声が6つのドラマとセッション。イメージ映像DVD(特典映像付き)との2枚組セットでお楽しみも倍増 アスワン・エンタテインメント/3‚600円(税込み)
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劇団岸野組公演「〜森の石松外伝〜妖刀奇譚(ようとうきたん)・総司と石松」に出演決定!! 2004年11月7日(日)〜14日(日)下北沢本多劇場
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お芝居の楽しさを体感した少女時代
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―― 折笠さんが役者を志したきっかけは何だったのですか?
小学2年生のときの学芸会がきっかけでした。私は人前でわーっと騒ぐ子供ではありませんでした。どちらかといえば小学生のくせに“ひき”を使って生きていた、年上の人に対してちょっと考えてから話すような少し変わった子供でした。多分年上に囲まれて育ったせいだと思います。
その学芸会で芝居がありまして、先生がたまたま私を主役に選んでくださったんです。「春よ来い」という創作劇で、春を呼ぶウグイスの役でした。そのお芝居で体育館の中でライトを浴びて、頑張っている自分を一生懸命見てくれるお客さんがいるという快感を子供ながらに強く感じたんです。緊張よりも芝居の楽しさの方が上でした。そのお芝居をきっかけに窮屈だった自分が開放できたのだと思います。お芝居の中で生きられる自分というものに本当に魅力を感じてしまいました。ですから私のやることは“芝居”だと思っちゃったんですね。それから今にいたるまでずっと“お芝居をやりたい、舞台に立ちたい”という方向性で生きてきています。
それ以来お芝居の影響で、国語の予習をし始めたりしたので、成績も少し良くなったのですね。良くなると面白くなるので勉強もするようになりました。
―― では、その後はもちろん演劇部に所属したのですか?
中学、高校とも演劇部に所属しました。共学だったのですが、男性が一人もいない演劇部でした。男役も女性がやるのでちょっと気持ちが悪かったですね(笑)。中学のときはかけもちでコーラス部、高校のときはリボンフラワー部(手芸部のようなもの)にも所属していました。本当は体操部に入りたかったのですが、身長が伸びないとの噂があったのでやめてしまいました。今思えばやっとけば良かったなって思うのですけれど。中学時代は発表会の前だけ集中して演技の稽古をするという感じでしたが、高校ではきちんと放課後に稽古していたと思います。
高校卒業後の進路で演劇科のある短期大学を選択しました。そこの短大を卒業してもどこかの劇団に入ったり、プロダクションに所属したりと、一からまたやらなければならないのですが、私は短大で勉強したことは今思うと、とても役立っています。そこで身につけた基礎や、経験させてもらった日舞、洋舞、タップダンスなど様々なレッスンを本当にやってよかったなと思っています。なかでも日舞は、内弟子みたいなことも少ししていたりして、一時、集中して習っていました。
私が短大に入った頃というのは、そういう演劇学校の出始めた時期だったので全てが手探りでしたが、手探りだからこそいろいろなことをさせてくれたと思います。舞台もその頃たくさん観ました。「劇団四季」などの大きな商業演劇から、小さな舞台まで本当にたくさんの舞台を観ました。 |
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一見無関係なことにも必ず意味がある
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―― 中学、高校での演劇部での稽古と短大演劇科での稽古は何が違いましたか?
四六時中いつも芝居のことを考えていることができたり、身体を動かしていられたりしたことが一番の違いでした。あと、中学、高校の演劇部と違ったのは、専門職の講師の方が指導してくれたということで、やはり質の深さがまるで違いました。
ただそのとき私も若かったので、どうして今「能」の勉強をしているのだろうって思ったりもしたこともあります。芝居の稽古と無関係に感じてしまったんですね。私は日舞をやっていたので伝統芸能に抵抗はない方でしたが、多くのクラスメイトはだんだん出席しなくなってしまいましたね。今ならそのありがたみをとても感じるのですけどね。詩吟や能の発声方法や動きなどは、たいへん勉強になります。私は舞台の発声法とマイク前の発声法は微妙に違うと思っています。いろんなことを経験して“知る”ということは、単純に発声法だけでも何種類もあって、それを必要に応じて自分が選択する力を得るということにつながると思うので大切なことだと思います。
苦手なレッスンも当然ありましたし、当時は意味の飲み込めないレッスンもありましたが、それでも私は芸事が好きなせいでしょうか、基本的に全部楽しんでレッスンをしていました。つらい反復練習を必要とするようなものは、自分で表とかを作っていました。目標を立てて、それをクリアしたら自分にご褒美をあげていましたね。ほしかった物を買ったりとか。
そうやって頑張って人よりうまくなると、楽しくなります。それがいい循環になってどんどん楽しくなると思います。最初はつらいかもしれませんが、それを早く乗り越えてしまうといいと思いますよ。
―― 発声練習や滑舌といった地味な基礎訓練は、やはり短大の頃にされたのでしょうか?
そうですね。あと舞台のときには必ず本番前に発声をしてから臨むので、ほぼ毎回発声練習はしていました。そこで基礎をつくった気がします。声は大きい声が出せれば小さく出すこともできます。お腹から声が出せればのどに負担を少なくして発声できますが、まだ新人さんでのどで発声している方などは大きな声を出すと、のどを痛めてしまってすぐ声が出なくなってしまうことがあります。特に少年役などは、のどを普通より使わなければいけないので、腹式発声ができないとつらくなると思いますね。 |
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