声優になる!マガジン
2004.09.29  vol. 14
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのオオネダです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
先週から、『小公子セディ』セディ役で声優デビュー後、様々な話題作品に出演し、その活動はアニメに留まらず海外ドラマの吹き替えからゲームまで幅広く活躍している折笠愛さんに迫っていますが、今週は折笠さんのお芝居に対する情熱についてお届けします。
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私が声優になったワケ
演じることが楽しくて仕方ない。声優・折笠愛インタビューVol.2
『ロミオの青い空』ロミオ、『天地無用!』シリーズの魎呼(りょうこ)、『サクラ大戦』藤枝あやめ・かえで役などで活躍している折笠愛さん。「私が声優になった理由」第1回目では、お芝居との出会い、中学、高校、短大の頃の折笠さんに迫った。
第2回目は、短大卒業後選んだ、“舞台で生きていく道“について語っていただいた。
■ Profile ■
折笠愛(おりかさあい)
12月12日生まれ。東京都出身。ぷろだくしょんバオバブ所属。劇団「文芸座」に所属後、劇団「創演」を旗揚げし、退団後はフリーで活躍。1988年、フジテレビ系の世界名作劇場『小公子セディ』セディ役で声優デビュー。以後、『ロミオの青い空』ロミオ、『天地無用!』シリーズの魎呼(りょうこ)、『サクラ大戦』藤枝あやめ・かえで役など、様々な話題作品に出演。アニメに留まらず、海外ドラマの吹き替えからゲームまで幅広くこなし、歌手として、女優としても活動している。
公式サイト

※1 子ども劇場
1966年、生の文化芸術や遊びの体験を通じて、子どもと大人がともに育ち合える地域をつくっていこうという考えのもと福岡県で発足。現在、47都道府県の600を超える地域に広がっている。生の舞台の鑑賞会や、ワークショップやお芝居作り、演奏会など自ら表現する活動、キャンプやお祭りなどの行事を企画・実施し、子どもたちのさまざまな生の体験の場を創り出している




















折笠愛ミニアルバム+DVD「mono-gatari」
2004年10月15日発売。アコースティック・サウンドのやさしい調べにのせ、あのピュアな歌声が6つのドラマとセッション。イメージ映像DVD(特典映像付き)との2枚組セットでお楽しみも倍増
アスワン・エンタテインメント/3‚600円(税込み)




















劇団岸野組公演「〜森の石松外伝〜妖刀奇譚(ようとうきたん)・総司と石松」に出演決定!!
2004年11月7日(日)〜14日(日)下北沢本多劇場
詳細はこちら



“お芝居は夢を売る世界”だからハングリー精神だけではいけない
――― 中学、高校では“部活”として演劇にかかわったわけですが、進学ともなるとまた違いますよね。短大進学のときなど、演劇を選択することに対してご両親の反対はなかったのですか?

ありました。父はとにかく大反対でした。芸能関係の進路なんてとんでもないという感じでした。ただ、「やりたいことがあるならやってみなさいよ」と母が応援してくれまして、無事進学できました。私には二人の兄がいるのですが、一番上の兄が高校時代演劇部だったので、多少の影響はあったかもしれませんね。一時は兄が弁護士を目指していましたので、兄弟3人で弁護士になろうなんて思ったときもあったんですけど(笑)。

――― その頃、アルバイトなどはされていたのですか?

学生時代に碁会所という囲碁を打つところなのですが、お茶汲み件、初心者のお相手をしていました。だから、某有名少年囲碁アニメに、何で私を入れてくれなかったんだろうって。私にやらせていただけたらみんな解説しちゃうのに(笑)。碁会所でのご老人相手のアルバイトは、いろいろ面白い経験をさせてもらいましたね。

――― 短大卒業後はどのように進路を選択されたのですか?

家庭の事情で、一旦お芝居をやめて家のお手伝いとかをしていました。ですが、それも落ち着いてきまして、また私の中の芝居をしたい気持ちがうずいてきて、それで「子ども劇場」(※1)に入りました。日本の各地の公共施設で子供たちに劇をみせるのです。そこで“お金をもらって”芝居をしていました。

お芝居をしている人たちはアルバイトをしながらやっている場合が多いと思うのですが、夜のアルバイトをしたり、男性ならばもっときつい労働をしたりしていて、だんだんと心身ともにボロボロになっていくのを見ていたんですね。そういうことは私にはできないなと感じました。ハングリー精神から“いいものを生む”ことはあると思いますが、それと演技は少し違うのではないかな、と私は思っていたところがあります。“お芝居は夢を売る世界”だと思っています。それが汚いのはイヤなのです。すごくつらい思いをしている経験は大事だと思うのですが、それを長い間し続けるのは私はイヤだったのですね。

例えば豪華なディナーを食べている自分もいて、普通のコロッケを食べている自分もいないとダメな気がします。年間300日はコロッケでも、残り65日は素敵なところでお食事ができるような、それも経験しておかないと……と、私は思っています。

そうして探し当てたのが芝居をしながらお金もいただける「子ども劇場」でした。年間300ステージぐらい公演していました。私がそういった劇団を探していたとき、たまたまその劇団の主演の女性が急遽出られなくなってしまったようで、そこで募集をしていたものを私が見つけたという感じです。

簡単なオーディションをして、演技も歌も踊りも、まあそこそこできるというので採用されたようでした。2週間ぐらいでその主演の舞台を仕上げなければなりませんでした。劇団に所属しないで常に客演のような状態でいろいろな劇団を渡り歩いて全国をまわっていると、あちこちに知り合いが出来てきまして、そういう知り合いの演出家さんや役者さんが私をご自分の舞台に誘ってくれるようになりました。

そんな中で私の転機になったのが、「伊豆の踊り子」で踊り子役をいただいたことでした。JRが協賛のような形で関わった大きなプロジェクトで、“芝居を見て伊豆に旅行しよう”みたいな企画だったと思います。その舞台で文学座の戌井一郎さんの演出で、並木史朗さん、舟木一夫さんらと共演させていただきました。その舞台をきっかけにさらに知り合いが広がりまして、商業演劇やさまざまなことでお声がかかるようになったのです。
芝居漬けの毎日が幸せだった。でも……
――― 年間300ステージというとほぼ毎日に近い感覚ですよね。たいへんではなかったのですか?

最初の何年かは幸せでした。そういった生活を私は5、6年続けていたのですが、私がしていた芝居というのは子ども劇場でしたので、主なお客さんは子供です。子供はとても反応がストレートなので、そこで結構勉強させてもらいました。つまらないことをやると飽きてしまって騒がしくなるんです。でも面白いことをやり続けていると乗り出して近寄ってきて、熱狂的な視線で観てくれます。ですから、その日の自分の芝居の出来不出来がストレートにわかりました。

ですが、私のやりたい芝居は、もう少し心の奥底に隠れている悲しさを表現するとか、内面の深いものを演じるとか、そういうことなんだと。子供にはストレートで分かりやすい表現が必要だったりするので、自分のやりたいこととのギャップを感じてきてしまったわけです。そんな悩みを感じ出していたときに、今の事務所の先輩である緒方賢一さんに、「声優のお仕事もありますよ」と声をかけていただいたんです。きっと私が悩んでいる姿を見てくださったのでしょう。そして現在の事務所に入ることになりました。

演技



声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム
基礎から始める声優トレーニングブック
声優としての身体づくりから始まり、発声法、アクセント・リズムなど、声優として必要なことを無理なく学べる画期的な1冊。
雷鳥社/1‚575円(税込み)
基礎から始める殺陣・アクション入門
殺陣・アクションを演じるための基礎知識からテクニック、すぐに使える立ち回りの演出プランを写真やイラストを使い、1冊にまとめた新しいタイプの入門書
雷鳥社/1‚575円(税込み)
さ行の練習

「さ」行の子音は、舌と上あごを近づけて、その狭い間から息がこすれるように出る音で、「摩擦音」といいます。

「さ」「し」「す」「せ」「そ」は前歯の裏側に息をあてるようにして発音しますが、「し」の音は上の歯の歯ぐき全体に当てるようにして発音します。そのため「スィ」の音ではなく、静かにして欲しいときに使う「シー」という音になります。

また「さ」行の音を発音するときに、歯と歯の隙間などから息がもれすぎると聞きづらくなるので注意しましょう。

次の単語を発音しましょう。

咲く/サンバ/採算/さようなら/差し押さえる/鹿/敷居/仕掛ける/式次第/下ごしらえ/砂/スイカ/進める/すり抜ける/スペクタクル/世話/静止/性格/静物画/生活保護/祖父/添える/そっくり/総領事/そそっかしい

次週は、「ざ」行に挑戦します。
はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編(CD付)
「耳で聞いて学ぶ」ことの大切さに注目し、ひとりでもより効果的に学べるように、発音練習から朗読、ナレーション、オリジナル・ラジオドラマまで、プロの技術を完全収録
雷鳥社/1‚890円(税込み)

声優になるための練習問題100
「声優」になるために必要な知識や技術のほか、オーディションの内容からアニメ・洋画などさまざまな仕事の情報までを、わかりやすく解説。声優に「なりたい」を「なる」に変えるための入門書
雷鳥社/1‚470円(税込み)




編 集 後 記
だいぶ秋らしくなってきました。たくさんの新番組が開始され、舞台公演が行われます。
興味をもってできる限り、多くの知識を得てみてはいかがでしょうか。声優さんも歌や舞台に大活躍です。是非、プロを生で体感してみてください。(Hashimoto Takahiro)
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