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折笠愛ミニアルバム+DVD「mono-gatari」 2004年10月15日発売。アコースティック・サウンドのやさしい調べにのせ、あのピュアな歌声が6つのドラマとセッション。イメージ映像DVD(特典映像付き)との2枚組セットでお楽しみも倍増 アスワン・エンタテインメント/3‚600円(税込み)
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劇団岸野組公演「〜森の石松外伝〜妖刀奇譚(ようとうきたん)・総司と石松」に出演決定!! 2004年11月7日(日)〜14日(日)下北沢本多劇場
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現場がトレーニングの一番の場所
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――― 前回、声優になりたての頃は自分の演技が下手だと感じて、演じることも歌うこともプレッシャーになったとおっしゃっていました。それを乗り越えるために自分なりに研究されたともうかがいましたが、具体的にどのように研究していかれたのですか?
先輩のお芝居で研究しました。現場で、先輩の演技を聞くことができるわけですね。オンエアを見ると、生で聞いたものと違うときがある。最初にそれを強く感じたのは、今はお亡くなりになってしまった城 達也さんとお仕事をさせていただいたときでした。私は城 達也さんの大ファンで、その娘役ができることがとても嬉しかったんですね。でもそのときは、いつも聞き染んだ城さんの声に聞こえなかったんです。たまたまディレクターさんたちがいるブースに行くことがありまして、演出側から城さんの演技を聞くことができて、得心しました。見事にマイクにのった声で演技されている城さんがいるわけですよ。そこで声優の仕事を一つ教えてもらいました。マイクを上手に使い、いかに自分の声を生かしていくかも仕事なんだと。
それからいろんな先輩の芝居を勉強させてもらいました。朗々とマイク前で演じる人もいます。それは人によってケースバイケースですが、その人が見つけてきたオリジナルな手法なわけです。そういう私自身の手法を見つけていくために、いろんな先輩のいいと思ったところを勉強して自分のものにしていくしかないんですね。それは舞台でも同じだと思います。
演技の上手い人って、結構モノマネが上手い人が多い気がします。山寺宏一君はデビューした頃からモノマネが上手でしたね。モノマネが上手いということは、人のものをきちんと盗めて、それを自分なりにアレンジできるということです。いろんな引き出しを持っていて、さすがだなって思います。
――― 現場で学ぶ前の段階の人は、どうやって研究したらいいと思いますか?
作品をいろいろ見ることではないでしょうか。研究方法は本当に人それぞれなので、自分に役に立つ心地いい研究方法は自分で見つけるしかないと思います。ただ確実にいえることは、動けない人よりは動ける人の方が有利だし、発声の訓練をしていない人よりは訓練している人の方がぜったいいい。そういう意味では基礎トレーニングはとても大事です。いろんな作品を見て得た知識はすぐに形に表れるわけではありませんが、たくさんの知識とそれを活かす能力をもつ身体的なトレーニングをしておけば、役に立つことは多いと思います。
――― 少し話が戻りますが、折笠さんが声優として演技が楽しくなってきた作品って覚えていますか?
うーん。誰も知らないでしょうけど、『三国志』という作品だったと思います。役名も忘れてしまいましたが、とても私がやりたい芝居ができたんです。女性の切ない内面の演技を要求されて、すごく楽しかったのです。
そういう意味では『サクラ大戦』のあやめ役も、人、悪魔、天使といった3タイプの役を演じられて楽しかったです。いろいろな表現ができる役はとても好きなんです。そういう仕事はとても満足感があります。
女性だと、少年役というのは必ずやる役柄だと思います。そのときにいかに自然に少年になれるかというのはキーポイントになると思います。私は日常生活の中で、知らず知らずのうちに観察をしている様です。赤ちゃんの泣き方とか、子供の甲高いしゃべり方や笑い方は見ていますね。女子高生の雰囲気とかは、ガヤなどやる場合などの参考になります。 |
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“仕事の借りは仕事で返す”それが折笠流
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――― お仕事でうまくいかなかったなって思ったときなどはどう切り替えてらっしゃるんですか?
つらかったり落ち込んだりしたときでも、楽しむ部分を見つけていました。とてもきつく演出家の方にダメだしをされて落ち込んでしまった日があったとします。その日の気分の切り替えは、美味しいものを食べたり、スポーツしたりして発散することはある程度できますが、完全に消すことはできないんです。仕事で落ち込んだものは、次の仕事で頑張って良しとなるまでは帳消しにならないんです。“仕事の借りは仕事で返す”ってことでしょうか。
――― “仕事の借りは仕事で返す”ために、次の仕事まで何か特別な準備をされるのですか?
これも場合によりますが、台本をいただいていたらイヤになるほど読み込みますね。台本を見るのもイヤなときもありますし、ビデオも見る気が全然しないときもありますが、でもやらないとダメなので。でも不思議と、イヤで1回ぐらいしか見ないで現場に行ったときと、20回も30回も読み込んでいったときでは、結果が変わるんです。30回目に気づくことってあるんですよ。ちゃんと勉強していれば結果はそれなりにきちんとでてきます。本当にイヤで面倒くさくて寝てしまいたいときってありますよ。でもやっぱりそうしてしまうとダメなんですね。
――― 当然のことだとは思いますが、プロになっても必要な努力はし続けることが大事なのですね。
そうですね。継続は力だと思います。やり続けていくとなんとなくわかってくることもありますから。
――― 声優を目指している人に何かアドバイスをいただけますか?
「声優志望だから声優以外はない」と門を狭くしてしまわないで、扉を大きく広げていろんなことを経験して吸収してほしいと思います。それで最終的に声優になれたらとても素敵なことですよね。その過程で、舞台により興味をもって舞台俳優になるかもしれないし、ダンスに興味をもってダンスの先生になるかもしれないし、それはそれで素敵なことだと思います。何かひとつに決めてしまわないで、失敗を恐れず前向きに頑張ってほしいですね。 |
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4週にわたる折笠愛さんのインタビューはいかがでしたか?一つひとつ、とても熱心に語っていただきました。 来週からは、初の男性声優さんの登場です。みなさんもよーくご存知のあの声優さんです。”半妖、高校生探偵”といえば…。もうどなたかお分かりですね! |
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