声優になる!マガジン
2004.10.13  vol. 16
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのオオネダです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
3週にわたりお届けしてきた折笠愛さんのインタビューも、いよいよ今回が最終回です。折笠さんからみなさんへのメッセージもあるのでお楽しみに!
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私が声優になったワケ
演じることが楽しくて仕方ない。声優・折笠愛インタビューVol.4
これまで3回にわたり、お芝居との出会い、声優を目指すきっかけ、声優という仕事の難しさについて、様々な視点から声優・折笠愛さんに語っていただいた「私が声優になった理由」も、今回で最終回。
最終回では、声優の仕事を続けるために折笠さんが行ってきた方法、また、声優になりたい人へのメッセージをいただいた。
■ Profile ■
折笠愛(おりかさあい)
12月12日生まれ。東京都出身。ぷろだくしょんバオバブ所属。劇団「文芸座」に所属後、劇団「創演」を旗揚げし、退団後はフリーで活躍。1988年、フジテレビ系の世界名作劇場『小公子セディ』セディ役で声優デビュー。以後、『ロミオの青い空』ロミオ、『天地無用!』シリーズの魎呼(りょうこ)、『サクラ大戦』藤枝あやめ・かえで役など、様々な話題作品に出演。アニメに留まらず、海外ドラマの吹き替えからゲームまで幅広くこなし、歌手として、女優としても活動している。
公式サイト

折笠愛ミニアルバム+DVD「mono-gatari」
2004年10月15日発売。アコースティック・サウンドのやさしい調べにのせ、あのピュアな歌声が6つのドラマとセッション。イメージ映像DVD(特典映像付き)との2枚組セットでお楽しみも倍増
アスワン・エンタテインメント/3‚600円(税込み)




























































劇団岸野組公演「〜森の石松外伝〜妖刀奇譚(ようとうきたん)・総司と石松」に出演決定!!
2004年11月7日(日)〜14日(日)下北沢本多劇場
詳細はこちら




現場がトレーニングの一番の場所
――― 前回、声優になりたての頃は自分の演技が下手だと感じて、演じることも歌うこともプレッシャーになったとおっしゃっていました。それを乗り越えるために自分なりに研究されたともうかがいましたが、具体的にどのように研究していかれたのですか?

先輩のお芝居で研究しました。現場で、先輩の演技を聞くことができるわけですね。オンエアを見ると、生で聞いたものと違うときがある。最初にそれを強く感じたのは、今はお亡くなりになってしまった城 達也さんとお仕事をさせていただいたときでした。私は城 達也さんの大ファンで、その娘役ができることがとても嬉しかったんですね。でもそのときは、いつも聞き染んだ城さんの声に聞こえなかったんです。たまたまディレクターさんたちがいるブースに行くことがありまして、演出側から城さんの演技を聞くことができて、得心しました。見事にマイクにのった声で演技されている城さんがいるわけですよ。そこで声優の仕事を一つ教えてもらいました。マイクを上手に使い、いかに自分の声を生かしていくかも仕事なんだと。

それからいろんな先輩の芝居を勉強させてもらいました。朗々とマイク前で演じる人もいます。それは人によってケースバイケースですが、その人が見つけてきたオリジナルな手法なわけです。そういう私自身の手法を見つけていくために、いろんな先輩のいいと思ったところを勉強して自分のものにしていくしかないんですね。それは舞台でも同じだと思います。

演技の上手い人って、結構モノマネが上手い人が多い気がします。山寺宏一君はデビューした頃からモノマネが上手でしたね。モノマネが上手いということは、人のものをきちんと盗めて、それを自分なりにアレンジできるということです。いろんな引き出しを持っていて、さすがだなって思います。

――― 現場で学ぶ前の段階の人は、どうやって研究したらいいと思いますか?

作品をいろいろ見ることではないでしょうか。研究方法は本当に人それぞれなので、自分に役に立つ心地いい研究方法は自分で見つけるしかないと思います。ただ確実にいえることは、動けない人よりは動ける人の方が有利だし、発声の訓練をしていない人よりは訓練している人の方がぜったいいい。そういう意味では基礎トレーニングはとても大事です。いろんな作品を見て得た知識はすぐに形に表れるわけではありませんが、たくさんの知識とそれを活かす能力をもつ身体的なトレーニングをしておけば、役に立つことは多いと思います。

――― 少し話が戻りますが、折笠さんが声優として演技が楽しくなってきた作品って覚えていますか?

うーん。誰も知らないでしょうけど、『三国志』という作品だったと思います。役名も忘れてしまいましたが、とても私がやりたい芝居ができたんです。女性の切ない内面の演技を要求されて、すごく楽しかったのです。

そういう意味では『サクラ大戦』のあやめ役も、人、悪魔、天使といった3タイプの役を演じられて楽しかったです。いろいろな表現ができる役はとても好きなんです。そういう仕事はとても満足感があります。

女性だと、少年役というのは必ずやる役柄だと思います。そのときにいかに自然に少年になれるかというのはキーポイントになると思います。私は日常生活の中で、知らず知らずのうちに観察をしている様です。赤ちゃんの泣き方とか、子供の甲高いしゃべり方や笑い方は見ていますね。女子高生の雰囲気とかは、ガヤなどやる場合などの参考になります。
“仕事の借りは仕事で返す”それが折笠流
――― お仕事でうまくいかなかったなって思ったときなどはどう切り替えてらっしゃるんですか?

つらかったり落ち込んだりしたときでも、楽しむ部分を見つけていました。とてもきつく演出家の方にダメだしをされて落ち込んでしまった日があったとします。その日の気分の切り替えは、美味しいものを食べたり、スポーツしたりして発散することはある程度できますが、完全に消すことはできないんです。仕事で落ち込んだものは、次の仕事で頑張って良しとなるまでは帳消しにならないんです。“仕事の借りは仕事で返す”ってことでしょうか。

――― “仕事の借りは仕事で返す”ために、次の仕事まで何か特別な準備をされるのですか?

これも場合によりますが、台本をいただいていたらイヤになるほど読み込みますね。台本を見るのもイヤなときもありますし、ビデオも見る気が全然しないときもありますが、でもやらないとダメなので。でも不思議と、イヤで1回ぐらいしか見ないで現場に行ったときと、20回も30回も読み込んでいったときでは、結果が変わるんです。30回目に気づくことってあるんですよ。ちゃんと勉強していれば結果はそれなりにきちんとでてきます。本当にイヤで面倒くさくて寝てしまいたいときってありますよ。でもやっぱりそうしてしまうとダメなんですね。

――― 当然のことだとは思いますが、プロになっても必要な努力はし続けることが大事なのですね。

そうですね。継続は力だと思います。やり続けていくとなんとなくわかってくることもありますから。

――― 声優を目指している人に何かアドバイスをいただけますか?

「声優志望だから声優以外はない」と門を狭くしてしまわないで、扉を大きく広げていろんなことを経験して吸収してほしいと思います。それで最終的に声優になれたらとても素敵なことですよね。その過程で、舞台により興味をもって舞台俳優になるかもしれないし、ダンスに興味をもってダンスの先生になるかもしれないし、それはそれで素敵なことだと思います。何かひとつに決めてしまわないで、失敗を恐れず前向きに頑張ってほしいですね。
4週にわたる折笠愛さんのインタビューはいかがでしたか?一つひとつ、とても熱心に語っていただきました。
来週からは、初の男性声優さんの登場です。みなさんもよーくご存知のあの声優さんです。”半妖、高校生探偵”といえば…。もうどなたかお分かりですね!

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム
基礎から始める声優トレーニングブック
雷鳥社/1‚575円(税込み)
基礎から始める殺陣・アクション入門
雷鳥社/1‚575円(税込み)
た行の練習

「た」行の中の「た」「て」「と」は、舌の先を上の歯ぐきにつけ、それが離れる瞬間に息を吐き出して音を出します。これは「か」行の子音と同じ破裂音です。「ち」は破擦音で、英語のtea(紅茶)のように「ティ」と発音はせず、同じように「つ」も、英語のtwo(数字の2)のように「トゥ」とはならず、「ツ」と発音します。

次の単語を発音しましょう。

立つ/太鼓/タックル/畳替え/炭酸水/父/千鳥/町長/地中海/直方体/月/つくる/吊り橋/慎ましい/通用門/照る/テント/手荷物/定休日/展覧会/跳ぶ/通り/盗難/整える/都市計画

次週は、「だ」行に挑戦します。
はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編(CD付)
雷鳥社/1‚890円(税込み)

声優になるための練習問題100
雷鳥社/1‚470円(税込み)





編 集 後 記
折笠さんの魅力的なお話も今回で最終回になりました。アフレコの勉強をすることが声優の勉強ではないとプロの声優さんの多くが言われます。印象的に言うならば、演技の勉強というのも普通に多くの人が考えるものと差を感じています。是非皆さんの考えたこと、感想お聞かせください。お待ちしております。(Hashimoto Takahiro)
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