2005.01.19 　vol. 27

声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。 声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。

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こんにちは。みなさんいかがお過ごしですか？ 雷鳥社「声優になる！マガジン」エディターのイタガキです。 今週も「声優さんになりた〜い！」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報お届けしてまいります。 今週は「ロックマンエグゼ」のロックマンなどを演じ、様々な作品でご活躍されている木村亜希子さんの2回目。今回は、声優の世界へ一歩踏み出した頃のお話です。

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気持ちの強さで夢を現実に。声優・木村亜希子インタビューVol.2 『ロックマンエグゼStream』ロックマン、『UG☆アルティメbトガール』小春野繭、『舞-HiME』鷺沢陽子、『テニスの王子様』橘杏役などで活躍している木村亜希子さん。「私が声優になった理由」第1回目では、声優という職業知るきっかけ、吹奏楽部、漫画研究部、合気道部で活動していた学生時代のお話をうかがった。 第2回目は、声優になるために入所した養成所のお話について語っていただく。 ■ Profile ■ 木村亜希子（きむらあきこ） 6月28日生まれ。福井県出身。ケッケコーポレーション所属。「青ニ塾」「松濤アクターズギムナジウム」を経てデビュー。『LEGEND OF BASARA』更紗、『ロックマンエグゼ』シリーズ・ロックマン、ヒカリアン、『電光超特急ヒカリアン』聖橋ケンタ、『テニスの王子様』橘杏、『舞-HiME』鷺沢陽子、『UG☆アルティメットガール』小春野繭役など、様々な話題作品に出演。歌に舞台にと活躍の場を拡げている。

CD『朗読・音楽劇シリーズVol.1木村亜希子〜四つ葉のクローバー』プリズムレコードより発売中！ 物語と歌が一体化したミュージカル仕立ての作品で、作詞にも自身が参加。3月には、自身2枚目となるオリジナル・アルバムをリリース予定

声優への第一歩を踏み出す ―――　前回、大学進学のとき養成所に行くことも考えたとお聞きしましたが、大学卒業時の進路はどのようにされたのでしょうか？ 大学4年生のときに、声優になるためにそろそろ真剣に動かなくてはと思って、NHKでやっている通信教育の朗読・ナレーション講座を始めました。周りの友達は就職活動を始めていましたが私はそれほど真剣には就職活動をしませんでした。声優になるのだからと思っていたからです。ただ、生活するためにどこかに就職しなくてはという気持ちはありました。でもそんな思いですから、なかなか就職が決まりませんでした。当然ですよね…。 両親は大学卒業後は地元に戻ってくると思っていたらしく、東京で就職すると伝えたらがっかりしていました。妹が同じ大学に通っていて一緒に暮らしていましたから、妹が大学卒業するまでの間は東京にいてもいいと思っていたようです。 やっと就職が決まったものの、その会社は実は1週間で辞めてしまいました。テレホンセールスの仕事だったのですが、自分が売っているものを信用できなかったのと、商品を少し誇大気味にセールスをしなければならなかったことが精神的に苦しくなって続けられなくなってしまったんです。ですが、生活もしなければならない、どうしようか迷って母親に相談したら「辞めなさい」と言ってくれて。どうしようもなくなったら帰れるところがあるのだからって。ありがたいなぁって、本当に感謝しました。 それでその会社を辞めて、次に、警備会社の経理事務として再就職が決まりました。小さな会社だったのですが、社長さんがとても理解のある方でした。大学を卒業して就職したのと同時にすでに青二塾の日曜クラスに通っていたから、面接に行ったときに正直に、「私は声優になりたいのです。それで養成所に通うので日曜の仕事には出られません」と正直に伝えたのですが採用してくれましたね。これ以降もたくさんお世話になりました。 ―――　なぜ青二塾の日曜クラスを選択したのですか？　初めて声優になるためのレッスンを受けてみていかがでしたか？ 私の中で青ニプロダクションが一番メジャーだったからですね。活躍していた声優さんが青二さん所属の方が多かったからというのもあります。どんな授業があるかとかは予備知識としては持っていたのですが、実際にやってみてすごく面白かったです。すべてが初めてなので楽しかったですね。あと似たような目標を持った仲間の中でレッスンするということが嬉しかったです。 私の行っていたクラスは1回に4〜5時間で、日曜の午前と午後に休憩をはさんでやっていました。午前中に演技基礎、午後に滑舌、発声とか、いろいろですね。 ですが、日曜クラスだけでは絶対足りないと思い、いずれ週5日レッスンのある青二塾の本科に入ろうと考えていました。 ―――　　青二塾の日曜クラスに通っているときはどのように自主練習を行っていましたか？ 仕事を終えて帰宅してから、渡された課題を1週間かけて考えたり、滑舌のプリントなどを家で練習したりしていました。今までやったことのないことだったので楽しかったし、自分のやりたい世界に一歩踏み出せたことが一番だったので、やることがつまらなかったり苦痛だったりしたことはありませんでした。 1年後の卒業時には稽古場発表会のようなものがありました。卒業時には青二塾の本科（週5日制）に行こうと考えていましたが、そこに通うためには経済的に苦しいということがありまして、とりあえず1年間は養成所に通うのはやめて働いてお金を貯めようと考えました。その間も日曜クラスに通っていたときにいただいたプリントやテキストなどで、自分なりに練習はしていました。何もしないよりはいいかなと思いまして。 ―――　1年間お金を貯めるためとはいえ、声優になるための勉強をするのをお休みするのは不安ではありませんでしたか？ 焦りはあまりありませんでしたね。声優になれないかもしれないと一番焦ったのは大学に進学するときです。そのときは本当に1分でも早くこの世界に入りたいと思っていたのですが、4年間を大学で過ごしたことでちょっと中和されたのかもしれません。 青二塾に通っていた頃から、私はあまり他人と比較したりする感覚はありませんでした。負けたくないとかという気持ちはありましたが、自分がいいなと感じた人は素直に真似をしてみたり、どう工夫しているのか考えたりしていました。自分が誰かより劣っているということも考えなかったと思います。かといって、イケてるとも思いませんでしたけど（笑）。 ―――　お金を貯めるための1年後、また養成所を探されたわけですか？ はい。養成所の広告が雑誌に掲載され始める頃から検討をし始めました。1年前に考えていた青二塾の本科の他にもいくつかの養成所の資料を請求して、入所オーディションを2，3受けていました。その中の一つが、その後通うことになる松濤アクターズギムナジウムでした。 1年間の充電後、選んだ養成所とは… ―――　なぜ複数の養成所に合格した中で、松濤アクターズギムナジウムを選んだのでしょうか。 以松濤アクターズギムナジウムは開校してまだ2年目の養成所でした。その入所オーディションはひとりひとりたっぷりと時間をとって行うものでした。朗読と個人面接だったのですが、1時間ほどあったように記憶しています。すごい丁寧だなと感じました。 できたばかりの養成所でしたから当然実績はありませんでしたが、私も知っていた声優の難波圭一さんが面接官として直接面接してくれたのは養成所として安心感を作ってくれましたね。オーディションのときの個人面接は基本的な質問でしたが、難波さんにけっこうきついことを言われたのを覚えています。何より雰囲気が恐かったです（笑）。「何で声優をやりたいの？」って聞かれたのですが、「中学校の頃に声優を知ってから声優になるのが夢なんです」という話をしたら、「夢だって言ってるうちは無理だからやめたほうがいいよ」って言われてしまいましたから。今でこそ甘かったんだろうなと思えるのですが、当時は泣きそうなくらいショックで、後のことはあまり覚えていないくらいです。「何でこんなことを言われなければならないのだろう？この人とは気が合わないのかも…」って思いました（笑）。 ―――　そんなにショックなことを言われたのに選んだわけですよね。 そうですね。でも丁寧にオーディションしてくれたというのがありました。ショックでしたが、面接であそこまで言ってくれるというのはなかなかないことなので、入所したら得られるものがあるかもしれないと思って。それで、合格したら松濤アクターズギムナジウムに行こうと決めていましたね。あとは当時、授業料が安かったのもあります。働きながら通う中で、自分自身でなんとかできる金額でした。 ―――　松濤アクターズギムナジウムで学びだしていかがでしたか？ 青二塾と同じような授業ももちろんありましたが、全く新しい授業もたくさんありました。週3日で、1回が3時間のレッスンでした。滑舌や演技、朗読といった基本的なものの他に、声楽、ダンス、ボイストレーニングといった今までやったことのないレッスンがありました。私はダンスや声楽などにもとても興味があって、それを声優のレッスンの1つとして教えてもらえるのがとても楽しかったです。あと週3日なので週1のときと比べるとやっていることも濃かったですし、もっと深く学ぶことができたので充実していましたね。難波先生は相変わらず恐かったのですが、、そんなに理不尽なことはありませんでしたよ（笑）。

	声優ってどんな仕事？　どうしたらなれるの？　なるにはどんなトレーニングが必要なの？　そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『声優になるための練習問題100』（雷鳥社）という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。 今回から声優に関するお役立ち問題を出題します！がんばって挑戦してください。
東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム 基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円（税込み） 基礎から始める殺陣・アクション入門 雷鳥社/1‚575円（税込み）	● 今日の練習は「笑い」！設定によって「笑い」を演じ分けてみましょう。 【1】おもしろいギャグを聞いて 【2】自分が受験に合格して 【3】赤ちゃんをあやしながら 【4】独裁者が家来を前に満足げに 【5】上司の話に無理にあわせて ［解説］ 同じ「笑い」でも、演じる役柄や場面によって笑い方はまったく違います。そのうえ、同じ設定であっても笑いは幾通りもあるのです。例えば「ハッハッハ」「ヒッヒッヒ」のようにハ行で笑うこともあれば、「クックック」「アーハッハッハ」「ガハハ」と笑うこともあります。また、声を出さずにこらえた笑い、鼻で「フン」と笑うなどの表現もあります。とにかくいろいろな「笑い」をやってみて、体で感覚をつかんでみましょう！ 「喜び」「哀しみ」「怒り」「楽しさ」など人間の持っているさまざまな感情表現を練習してみましょう。	はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編（CD付） 雷鳥社/1‚890円（税込み） 声優になるための練習問題100 雷鳥社/1‚470円（税込み）

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	編 集 後 記
	どの職業でも一緒だと思いますが、思い続けながら実行することが大切です。特に声優・俳優といった何の資格のないものを目指すにはそれしかないと言えるぐらい大切なことです。経験を重ねると見える現実に“現実は厳しい、甘くない”と言うことは誰でもできます。その上でまだ楽しめるかはその人の資質なのかもしれません。 （Hashimoto Takahiro）
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