声優になる!マガジン
2005.01.26  vol. 28
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
今週は『ロックマンエグゼ』シリーズ・ロックマンなど様々な話題作でご活躍されている木村亜希子さんの第3週目です。養成所などに入って声優への道を歩み始めた木村さんでしたが・・・今週はいよいよデビューしたころのお話へと続きます。
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私が声優になったワケ
気持ちの強さで夢を現実に。声優・木村亜希子インタビューVol.3
先週・先々週と声優・木村亜希子さんにお話をうかがっていますが、第2回目までは、声優を知ったきっかけ、声優になるために入所した養成所時代のお話を語っていただいた。
第3回目では、声優としてお仕事を始めたものの日増しに感じるプレッシャー、また、それを克服するために行ったことについて教えていただく。
■ Profile ■
木村亜希子(きむらあきこ)
6月28日生まれ。福井県出身。ケッケコーポレーション所属。「青ニ塾」「松濤アクターズギムナジウム」を経てデビュー。『LEGEND OF BASARA』更紗、『ロックマンエグゼ』シリーズ・ロックマン、ヒカリアン、『電光超特急ヒカリアン』聖橋ケンタ、『テニスの王子様』橘杏、『舞-HiME』鷺沢陽子、『UG☆アルティメットガール』小春野繭役など、様々な話題作品に出演。歌に舞台にと活躍の場を拡げている。

CD『朗読・音楽劇シリーズVol.1木村亜希子〜四つ葉のクローバー』プリズムレコードより発売中!
物語と歌が一体化したミュージカル仕立ての作品で、作詞にも自身が参加。3月には、自身2枚目となるオリジナル・アルバムをリリース予定





養成所に入所後、半年でデビュー
――― 1年間の養成所に通うことになったお話を前回お聞きしましたが、働きながら週3日のレッスンは、両立が大変ではなかったですか?

大変と思ったことはあまりなかったと思います。火曜・木曜・土曜の夜の時間帯でレッスンがあったのですが、土曜は会社がお休みでしたので問題なかったですし、火曜、木曜は前もって会社に「養成所がありますので定時に帰ります」とお願いしておきましたので(笑)。1年間の出来ない期間がありましたから、学べるということがなにより嬉しかったですし、楽しかったです。

――― 自主練習などはどうされたのですか?

その日のレッスンを帰宅後にもう一度復習したり、会社だったら大きな声を出してもいいかなと思って、練習するために朝会社に早めに行って掃除をしながらやったりしました。

――― デビューのきっかけは何だったのですか?

松濤アクターズギムナジウム内で行われたオーディションがきっかけです。入所して半年経つかどうかの夏休み明けすぐだったと思いますが、学内でオーディションがありましてそれに選ばれてCDドラマに出演しました。

決まったときはとても嬉しかったです。オーディションがあってから結果が出るまではとても長く感じました。実際は1週間ほどだったと思いますが。当時はその仕事ができたということの喜びのほうが強かったですね。

1年間のレッスンに通っている間、自分が失敗するとか、ダメかもっていう思いより、絶対出来るっていう変な自信がありました。今思えばなんでそんなこと思えたのだろうって思いますが(笑)。

このオーディション以降、何回か現場に入れていただいたり、学校からオーディションを受けさせていただいたりするようになってから逆に不安や迷いが強くなりました。

――― それはどのような不安だったのでしょうか?

滑舌などのスキル的なもの以上に、役者としてやっていけるかどうかみたいなものです。松濤アクターズギムナジウムで用意して頂いたオーディションにことごとく落ちていましたから。オーディションに落ちれば落ちるほど、やはり私には才能がないんじゃないかと思うようになりました。スキル的なものは自分でやればある程度は解決できる部分もあると思うのですが、資質の面になるとどうしようもありませんからね。 

オーディションに連れて行ってもらうこと自体がなかなか難しい中で、連れて行ってもらえたのにダメだったとなると私以外の人が行ったら受かっていたかもしれないとも考えてしまいました。その頃、同じクラスの中に個性的だったり、才能があるなぁと感じたりする人がいまして、うらやましく思っていたところがあります。私は自分があまりに普通すぎると感じていたので。もしその人たちが私が落ちたオーディションを受けていたら、求められていたかもしれないと思ったんですね。

ちょうどその時期が松濤アクターズギムナジウム1年目の卒業の頃でした。私自身は、松濤アクターズギムナジウムで継続して学びたいと思っていたことを難波先生に相談しました。そうしたら「オーディションに何回か落ちたってそれは普通のことだから気にすることはない。もう1年学んでみたら」とおっしゃってくださって継続を決めました。その直後のオーディションですね。松濤アクターズギムナジウムの2年目の春に、転機となる『BASARA』という作品の主演が決まりました。
主演に抜擢。そして新たに感じる精神的プレッシャー
―――  突然、声優として忙しくなってしまったと思うのですが、声優の仕事をするようになってから就職先でのお仕事はどうされたのですか?

初めのうちは前もってお休みをいただいて対応していました。「BASARA」の仕事をし始めてからは、週に何回か休まなくてはならなくなりました。3年ほどそこに勤めていたのですが、終わりのほうは月に1週間ほどしか出勤できないようになっていました。そんな状態であったのにも関わらず、社長は「今、会社を辞めてしまうと収入的に苦しいだろうから仕事のあるときだけ出てきてくれればいいから続けたら」と言ってくださって。本当に理解ある会社で、今でも感謝していす。でもいつまでも甘えているわけにもいかないと思いまして辞めることにしました。

会社を辞めるときは、自分がどっちをやりたいか考えました。やはり声優を!という思いが1番にあったので、会社に迷惑がかかるという思いもありましたが会社に行っている時間をもっと自分の勉強に使ったらオーディションにも受かるかもしれないと思い、自分の中のくぎりとして決断しました。

――― 本格的に声優としての現場に立つようになってからのことを教えてください。

最初に始まった仕事が公開録音のラジオ番組で、これが毎週ありました。私はラジオという仕事を声優の仕事として想定していなかったので何をしたらいいのかわかりませんでした。私の中で声優の仕事といえば、アフレコだったんですね。それに毎週公開録音ですから、いつも目の前にお客さんがいるわけです。人前で話すのが一番苦手でしたから、この仕事が始まってしばらくはもう仕事に行きたくないと思ったことが何度もありました。

全てが初めてでしたので、構成作家の方が常に隣にいてフォローしてくれました。その方に「1日10個、何でもいいからメモしてきなさい」と言われたんです。それはラジオの残り1分に話題として使ったり、自分が今まで気づけなかったことに気づけるようになったりするからということでしたが、今まで興味のないことに興味を持てるようになったりと、私にとって勉強になりました。

2年目になって「BASARA」のアニメも始まって、その関連のお仕事でより忙しくなりました。ラジオ、アニメ、イベントでアッという間に2年ぐらい経ってしまいました。「BASARA」のイベントで歌を歌ったことからCDを出すことにもなりました。そのイベントで地方都市を回ったこともあるんですよ。私にそんなに知名度があるわけでもなかったので、店頭で寂しいキャンペーンをしたこともあります。ただ、「BASARA」という作品が東京だけの放送ではなかったので、「作品を見ました」っていうファンの人がちょっとでも来てくれたのがうれしかったですね。

「BASARA」というプロジェクトは想像以上に大きなものでした。オーディションに受かった当初はうれしさや楽しさが勝っていたのですが、関わっていくうちに、「自分にできるの?」という気持ちが大きくなりました。自分が今までやってきたことやレッスンに対して自信があったわけでもないし、周りの役者さんはみんなベテランの方ばかりで、より自分の小ささを感じたりしました。精神的なプレッシャーを一番感じていた2年間だったと思います。

――― その不安をどう克服されましたか?

現場に行って自分が出来ることには限度があるので、まずは集中して自分の出来ることをするしかなかったですね。現場で一緒になった方の演技を一生懸命観察するとか、家でTVや映画を見るときにも仕事の一環として意識して見るようになりました。今まで養成所で教わったことも基本にはあるのですが、現場に出てしまうと養成所で教わることとはまったく違う世界で、現場に本当に多く学ばせてもらったと思います。

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム




基礎から始める声優トレーニングブック
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さぁ、今日もがんばって練習しましょう!
次のセリフをそれぞれ指定された意味合いを込めて表現しよう

【1】「ありがとう」
a.心を込めて
b.軽く
c.皮肉っぽく
d.さみしそうに

【2】「いいよ」
a.嬉しそうに
b. 仕方なく
c. ふてくされて
d. 悲しそうに

【3】「待って」
a. 甘えて
b. 怒って
c. すがるように
d. 慌てて

解説

微妙な感情までもがイントネーションによって表現することができます。演技をする上で大事な表現力のひとつがイントネーションなのです。

今回の問題のヒントは「それぞれの設定において具体的な状況を想像しながらいってみる」ということです。例えば〈【1】ありがとうa.心を込めての場合→おばあさん役:バスを降りるときに手助けしてくれた青年へ〉〈【2】いいよa.嬉しそうに→高校生役:好きな人からデートに誘われて〉

自分で役を設定して声に出してみると、なるほど! なかなか感じが出てきます。どの設定でも瞬時できるようがんばって練習しましょう!
はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編(CD付)
雷鳥社/1‚890円(税込み)





声優になるための練習問題100
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編 集 後 記
木村さんのデビューのきっかけを本人にお尋ねした後、デビュー前から木村さんを見ていた養成所の方にお話を伺いました。木村さんが在籍していたクラスの中で、木村さんは決して飛びぬけた存在ではなかったそうです。巡ってきたチャンスをきちんと掴んだということですね。世の中は不公平ですからチャンスの数は人によって違います。でもチャンスをチャンスと気づくことができない人も結構います。皆さんはいかがですか?
(Hashimoto Takahiro)
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