声優になる!マガジン
2005.03.02  vol. 33
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
声優のお仕事はじめ、舞台などでも幅広くご活躍されている平松晶子さんにご登場いただいておりますが、第4週目の今回でいよいよ最終回。今週は声優を目指すみなさんへのメッセージもありますので、みなさんお見逃しなく!!
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私が声優になったワケ
演じることが心の底から楽しい。声優・平松晶子インタビューVol.4
3週にわたり声優・平松晶子さんにご登場いただいている「私が声優になった理由」。声優を目指すきっかけになったこと、養成所時代のお話、デビュー当時の壁、声優と舞台の選択。平松さんが声優として生きていくことになった様々な経験を、いろいろな視点から語っていただきましたが、今週でいよいよ最終回。
最終回の今号では、演じることが声優という仕事へつながっていったこと、声優を目指している読者のみなさんへのメッセージやアドバイスをお話していただきました。
■ Profile ■
平松晶子(ひらまつあきこ)
8月31日生まれ。東京都出身。賢プロダクション所属。東京アニメーション養成所を経てデビュー。主な出演作は『逮捕しちゃうぞ』(小早川美幸)、『藍より青し』(神楽崎雅)、『ケロロ軍曹』(日向秋)、『ジンキエクステンド』(シバ)、『パルムの樹』(パルム)、『.hack//SIGN』(BT)、『あずまんが大王』(谷崎ゆかり)、『スラムダンク』(赤木晴子)、『みかん絵日記』(草凪吐夢)ほか多数。様々な話題作品にて活躍中。

テレビ朝日
「ジンキ・エクステンド」
シバ役 
毎週水曜日深夜2:12〜放映中






























テレビ東京系にて
「ケロロ軍曹」
日向秋役
毎週土曜日朝10:00〜放映中。






























テレビ東京系にて
「マシュマロ通信」
毎週日曜日朝9:30〜放映中。






















口パクに縛られない、自分の芝居の間を意識していたことも
――― 平松さんの中で順調に仕事がこなせるようになって気づかれたこととかはありますか?

それまでいただいていた声優の仕事の多くは、誰とも会話をしない役が、ほとんどでした。例えばレジの定員で私の台詞は「○○円になります」だけ。相手が「ありがとう」といったところで私はもう返さないわけですから、会話ではないですよね。それが、だんだん台詞の多いキャストをやれるようになって、誰かと会話できるようになると、相手の台詞を聞くことができるようになりました。相手の台詞を聞いて演技をすることができるようになると、好きな舞台で演じることとの共通点が見つけられるようになります。人の台詞を自分が聞いて、自分の芝居をつくっていっていいんだという発見は、とても大きなことでした。逆にそれを私が拡大解釈して、口パクは目安だぐらいの気持ちでいようと思ってしまった時期もありましたね。台詞の尺とかを気にしないで、多少こぼれてもいいのではないかと(笑)。足りないのはダメなのですが、口パクに縛られて、芝居が死んでしまうよりはいいのではないか、そう考えていました。

生きている人間の呼吸などに合わないところがあったり、役として会話の流れの中の間の意味がわからなかったときなどスタッフさの方々ときちんとコニュミケーションがとれて解決できればいいのですが、全ての現場がそんなに恵まれているわけではありません。そういった何か自分にとって気持ちが悪いところがあったりすると、別にわざとではないのですがその間を無視していたりすることもありました(笑)。きっかけは、家でTVを見ていたとき気付いたのですが昔の某有名スポーツアニメの放映を見て、大先輩たちの口パクがあまり合っている訳でもないんですよ。でもそれでも芝居は全然問題なく成立しているわけです。それでな〜んだ。いいんだ、口パクなんてこんなもんだよって、勝手に解釈したんです(笑)

――― 平松さんは声優の仕事が順調にこなせるようになるまで、何かアルバイトなどはされていたのですか?

某大手商社でアルバイトをしていましたね。営業事務のような雑務一般の仕事です。休みが意外と自由でしたので、舞台や声優の仕事をしている私としてはとてもよかったのです。

私はゴキブリが大の苦手で、飲食関係以外で考えていました。もし働いている最中にゴキブリが出ようものならお客さんに何をしてしまうか分からないから(笑)。それに某大手商社は舞台で使えるカラー軍手などももらえたりしましたから結構役立ちましたよ(笑)。
日々の生活、経験することすべてが演じることに役立つ
――― 舞台を長くやられていた舞台の経験が、声優という仕事には、どのように役立ちましたか?

最初は自分たちで作った劇団で活動していたのですが、ある時期から千葉繁さんが主宰する「バーストマン」という集団に加入して、長く関らせてもらいましたね。公演は年に2〜3回していましたよ。千葉繁さんが個性も発想力も豊かな人ですからなんでもありで、芝居だけでなくコンサートをしたりもしました。コントなどもあったりして、やってみると意外と楽しかったですよ。実はとても勉強になったのもコントでした。個性的な役者ばかりでしたから、どうやってお客さんを笑わそうかと通常の芝居ではありえない様な事までを皆が考えてきます。コントの場合普通に演じるだけではどうしても面白くならない部分がでてくるのです。負けてしまうのですよね。

これは私のコントでの体験ですが、“笑い”って難しくて、稽古をしすぎると、なぜかつまらなくなってしまうんです。脚本は面白いのに、何度も練習して見慣れてくると皆笑わなくなってしまうのです。そうすると、また皆笑わせようとして、アイデアをひねり出してくるわけです。それでまた面白くなるのですが、それをお客さんに見せるとそのひねった過程がわからないので案外笑ってもらえない(笑)。またそれで試行錯誤してという作業を繰り返します。ですから本当に色んなことを考えましたね。 

演技とは異なる筋肉や思考を使います。人を笑わせるために様々な要素が必要で、それを考えて工夫する作業は自分の引き出しをつくるのにとても役立ったと思います。

当時はそんなふうには思いませんでしたが、最近出演した「あずまんが大王」のゆかり先生という役が、結構“いっちゃっている”キャラクターなのです。キャラクターの奔放さを表現するには、ありえないようにきれたり、毒を吐いたり・・想像もつかない様な引き出しが必要でしたのでコントをしたときの経験がとても役立ちました。

私は経験したことは何でも役に立つと思いますよ。ロボットとか生きていないものも演じる場合もありますが、基本的にはそのキャラクターが生きている様に演じるわけですから。人間として普通に生きていて経験したり感じたりすることで役にたたないことは何一つないと思います。

――― どのように勉強することが大切だと思いますか?

発声などは、自分で勝手にやってしまうと、のどを壊してしまう可能性が高いので、やはり専門家の指導の下で学んだほうがいいと思いますね。ただ滑舌などは自分でもある程度まで確実にできるものだと思いますよ。

例え養成所に通っても、卒業したら声優になれますということではないと思いますし、それだけではまだ基本ラインができたということだけ。どんなこともそうだと思うのですが、プラスαは自分自身の手でつかみとっていく部分になると思います。

――― 最後に平松さんのようにプロの声優を目指している、これから目指そうとしている人に何かアドバイスをいただけますか?

小さなことでいいから、自分が本当に楽しいと思うことをたどっていくことが良いのではないのではないでしょうか。いやいややることと、楽しいと思ってやること、同じ時間を費やしても身体や頭に入ってくる質や分量が全く違うと思います。

声優を目指すということは、ほんとに楽しいことばかりではありません。今活躍している人が楽しそうに見えるとするならば、そこにいたるまでに何を経験しているのかということを想像力を働かせて考えたりしてほしいと思います。

楽しいだけの人生はつまらないじゃないですか?たまに色々なことがあるから楽しさを大切にしたり、感謝したりする気持ちを培えるようになるのですから。例えばご飯がおいしいでもいいんです。そういう日々の感じる小さな幸せや楽しさを大切にしていくと、気持ちがどんどん柔らかくなると思います。気持ちがスポンジみたいに柔らかいほうが、表現するときにたくさんのものを含んで色んな出し方ができるようになるのではないでしょうか?

小さなことでもいいのです。表面だけではなく、心から楽しいと思えることを続けていってほしいと思います。


平松さん、ご登場ありがとうございました。
次号(3/9配信)もお楽しみに!!

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム














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今回は意味が通じるように文章を区切る練習です。

次の【1】〜【5】の文には句読点がありません。意味をわかりやすく伝えられるよう、適切な位置で区切って読みましょう。

【1】にわにわにわにわとりがいる。

【2】すもももももももものうち。

【3】この夏は猛暑だといわれていたがとんでもないこういうのを冷夏というんだ。

【4】雨が降ろうが風が吹こうが毎日飽きもせずに走り続けてとうとうまる1年経った。

【5】全米史上最高の興行成績を記録し話題になった映画がいよいよ来春日本に上陸するそうだ。


[解説]

【1】にわには、にわ、にわとりがいる。(庭には、二羽、ニワトリがいる)

【2】すももも、ももも、もものうち。(スモモも、桃も、桃のうち)

【3】この夏は猛暑だといわれていたが、とんでもない。こういうのを冷夏というんだ。

【4】雨が降ろうが風が吹こうが、毎日飽きもせずに走り続けて、とうとうまる1年経った。

【5】全米史上最高の興行成績を記録し話題になった映画が、いよいよ来春日本に上陸するそうだ。


文章を正確に伝えるために、適切な位置でフレーズ(句)を区切ることをフレージングといいます。ここでいうフレージングは文法上の区切りではないので、必ずしも書かれている句読点と一致するわけではありません。音声で表現するときに、そのときの気持ちや心の動きを相手にわかりやすく伝えるための区切りと考えてください。

シェークスピアのセリフや西欧の古典劇などで、このフレージングが細かく演出されるのはこと有名です。演技者にはとって大切な技術のひとつなのですね。
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編 集 後 記
今回で平松さんのインタビューも終わりです。“好き”というパワーはほんとに強く人を動かすエネルギー源なのだとプロの声優さんにお会いするごとに痛感します。ほんとに好きですか?と人から訊かれるようだったらそれはまだまだ“好き”が足らないのかもしれませんよ。(Hashimoto Takahiro)
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