声優になる!マガジン
2005.06.22  vol. 47
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
今週も人気声優・置鮎龍太郎さんのインタビューをお届けいたします。声優になりたいと思うきっかけは、人それぞれ。その夢を掴むために正しい順路だってありません。はたして置鮎さんはどんな道を歩んだのか? みなさん今週もお楽しみに!!
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私が声優になったワケ
自分を高め、いろんな役をやれる声優であり続けたい。声優・置鮎龍太郎インタビューVOl.2
家族の影響もあって、アニメーションが身近だった幼少時代を過ごした置鮎さん。そのアニメ好きが興じ、高校卒業後はいよいよ声優を志すことに。今週は養成所に入塾中のお話です。
■ Profile ■
置鮎龍太郎(おきあゆりょうたろう)
11月17日。福岡県出身。青二塾大阪校卒業。青二プロダクション所属。アニメ『テニスの王子様』手塚国光役、『地獄先生ぬ〜べ〜』鵺野鳴介役、『機動戦士ガンダムSEED』バルトフェルド役、『ママレード・ボーイ』松浦遊役など様々な人気作品に出演。またドラマCD、海外ドラマ・映画の吹き替え、CDなど活躍の場は広い。
青二プロダクション公式サイト






どんなこともやって覚えていく
――― 実際入塾した養成所はいかがでしたか?

クラスには、女性が圧倒的に多くて、男性はクラスに3人しかいませんでした。僕の同期のクラスは2クラス。1クラス25名ぐらいで、僕と同じ年代のクラスと社会人中心のクラスがありました。

1回のレッスンは2時間30分ぐらいだったと思います。発声やアクセントなどの基本から、身体を動かすようなダンスなどの授業までありました。一番最初は、台詞が言えるかを学んだと思います。日曜は2・5時間の他に追加でダンスか音楽のレッスンでしたね。

当時、塾長に「養成所は勉強するところではない。養成所に来ていない残りの週5日が勉強する時間」と教えられました。今思うと、当たり前のことなんですが、この言葉が心に響きました。勉強することはいくらでもあるわけですから、とにかく養成所に通っていない時間も練習することが大切だということ。例えば、会話の中で話す言葉と聞かせるために話す言葉は違うこととか、ね。訓練することで気付いたことはたくさんありました。誰かに教えてもらっても、それを身につけるためには、やって覚えていくしかないんだとその時ようやく分かりました。

――― 養成所に入ることによって、身につくことがたくさんあったのですね。みなさんそうでしたか?

養成所に通っている間に身につける人もいるし、身につかない人もいますよね。養成所は義務教育の学校ではないので、学ぶ気のある人でないとそれに気付かないと思います。ちょっときつい言い方をしてしまうと、もちろん養成所はお金をもらっていますから、そういう意味での義務はあるのかもしれませんが、お金払っていても身につけようと本気で思わない人は身につかないでしょうし、より吸収しようとした人が伸びるのではないでしょうか? 身体能力はやりさえすれば必ず何かしら身についていくと思いますよ。

養成所で学んだことは基本や基礎でした。あと僕にとって大きかったのは人と関わるということ。学生時代、部活動を途中で辞めたので、人の集団の中である一定時間以上深く関わるということの経験がありませんでした。同じテーマを作り上げていったり、ディスカッションをしたりすることで、初めてきちんとした人間関係を築いていけるようになったと思います。

――― 苦手なレッスンはありましたか?

演技初心者だったので、苦手な授業もあったと思います。後半はクラスで男が僕だけになってしまいましたから、男役は必ず自分の役目。僕が女役を振られることはまずありませんからね(笑)。脚本を渡されたときに自分のキャストは決まってしまっているような感じでした。好きとか嫌い、そういう以前に必然的に役がまわってくるのです。

――― 声優として仕事するということを具体的にイメージしながらレッスンされましたか?

養成所にいた頃は、まだはっきりとは意識していなかったと思います。声優の仕事として漠然とイメージしているアニメ、外画の吹き替えなど自分ができたら楽しいだろうなという感じですね。
 
 
演じることの厳しさを体感
――― では、演じることはいかがですか?

月1回青二プロに所属しているプロの方が、講師に来てくださったんですが、実際に現場に出ている方たちの言葉には重みがありましたね。話も面白くて、その場を盛り上げて話をしてくださるのです。でも、ただ楽しいだけではないんですよね。その中にある演じることの厳しさみたいなものを感じました。

高校時代にやっていた誰かの物まねで演じるのではなく、実際自分で演じるときは何も真似できるものはないんです。自分を出さなければなりませんから、テープに録って真似している頃とはまったく違いますよね。

自分の中にある「何か」を引っ張りだしてくる作業は今でも難しいですよ。現在の仕事の現場でも、アニメの絵ができていることはほとんどありません。アニメの場合テレビで見るときは、音楽も効果音も入った完成品ですが、それがスタジオではほぼないんです。自分でその役をイメージして、想像力をフル活動させて対応しているのが現実ですからね。自分が、完璧に芝居が出来ているとは言い切れないですが、より求められているものを出さなければとはいつも考えています。

ですが、養成所にいた当時は考えられませんでした。というより、思いつかなかったというのが本当かもしれません。よく台詞を読むときに“行間を読め”とか“間を読め”と言われますが、それが分かりませんでしたね。何しろまだ20歳そこそこの初心者ですから。経験だって足りないわけです。

漠然としたイメージで、声優をやりたいという気持ちだけはありましたが、具体的にどうしたいのかを尋ねられたら「仕事したいです」としか答えられなかったと思います。皆そうじゃないのかな?

――― 青二塾には東京にもありますが、意識されましたか?

しませんでしたね。東京校は1年、大阪校は2年ですし。他人と比べる意識は少なかったです。勝ち負けではとらえていませんでしたね。
 
 
“声優になる”という強い思いを胸に
――― 置鮎さんは養成所時代プロになるというはっきりとした志はあったのですか?

ただ“やる”と思い込んでいたところがありますね。資格を持っているわけではないし、大学にも行っていないわけです。養成所には2年も通っていたので今さら大学進学もないだろうと思っていましたし。プロになる以外に僕には何も残っていませんでしたから(笑)。

――― アルバイトはどのようなものをされましたか?

最初はウエイターのバイトを夕方から夜遅くまでやりました。ですが実家にいるのにお金は溜まらないのです(笑)。なので警備のバイトを追加しました。朝から警備のバイトに行ってその後ウエイターという生活です。今考えても不思議なんですが、月謝以外で何に使っていたんだろう?(笑) 

――― 養成所卒業時のことについて教えてください。

東京校と違って、卒業公演みたいなものはありませんでした。ただ、プロダクションのスタッフにアピールするための個人PRビデオを作りました。それは今もやっているそうですよ。最終的には面接もあるのですが、その前にこのPRビデオを東京に送りマネージャーたちに見てもらうのです。内容は自分の自由に作れるので、僕は子供番組の歌のお兄さんのようなことをしました。

僕のいた大阪校では在学中に仕事の声がかかるということはありませんでしたので“デビューするために、絶対に東京に行く!”と思っていました。合格通知をいただいたときはやはり泣きましたね(笑)。すごく嬉しかったんです。塾長には電話でお礼を伝えました。

両親はあまり驚いている様子はありませんでしたが、僕が東京に行くことが確実になったので少し寂しそうでしたね。

東京に行く事になったのは、同期の同じクラスで僕と女の子2人。別のクラスでも2人。あと学業でそれまで上京できなかった先輩が2人でした。

――― 置鮎さんが青二塾所属のオーディションに受かった理由はなんだと思われますか? 

何でしょうね? 採用してくれた方に、ただ感謝です。

次回(6/29配信)もお楽しみに!
 
 

演技













チケット購入方法
劇団あかぺら倶楽部03-5999-1874
( 受付時間19:00〜22:00 )
そのほか、インターネット等で受付
詳細はこちらから





キャスト紹介
高木 渉
(荻野久作)
小池 美輪
(荻野とめ)
池野 誠司
(古井半三朗)
大西 健晴
(高見詠一)
菅原 祥子
(野村ハナ)
押田 浩幸
(野村佐吉)
北飯 智子
(津島より子)
高月 希海
(酒井キヨ)
渡部 志保
(妊婦)
吉田 智則
(救護人1)
橋本 大介
(救護人2)
声優オススメ情報
人気声優・高木渉さんが代表をつとめる
劇団あかぺら倶楽部の次回公演!!

『法王庁の避妊法』
劇団あかぺら倶楽部15周年記念 第25回公演『法王庁の避妊法』
作/飯島早苗・鈴木裕美 演出/水鳥鐵夫
ローマ法王庁が唯一認めた避妊法「オギノ式」。それを発見したのは、日本のある病院の、一介の産婦人科医・荻野久作であった。彼を取り巻く人々の愛らしくも滑稽で、感動的な「生命」の物語。


日程 6月29日(水)〜7月3日(日)
場所 東京芸術劇場小ホール2
開演時間 6/29(水)〜7/1(金)19:00
7/2(土)13:00、19:00
7/3(日)12:30、17:00
料金 前売・当日(共通) 4000円
平日ペアチケット 7000円 (2枚、平日限定)
アンダーキャスト公演 6/30・7/1ともに13:00、料金2500円
問い合わせ 劇団あかぺら倶楽部まで


劇団の代表、今回の舞台でも主役を務める
人気声優・高木渉さんに本番直前インタビュー!!


――― 今回の『法王庁の避妊法』は劇団あかぺら倶楽部では再演ということになりますが、1度目と変化したことはありますか?

基本的には大きく変わっていませんが、前回より深く掘り下げて演じていこうと思っています。ただ以前とはキャストも変わっています。舞台は生もの。生きた人間同士が台詞の掛け合いを行いますから、以前見た方でも新鮮な感じで観ていただけると思います。

――― 現時点での手ごたえはいかがですか?

僕は前回と同じ荻野久作役。前回の改善点を活かして、よりクオリティの高いものを観ていただきたいと思っています。本番がだんだんと近づく今、ほどよい緊張感を感じながら準備しています。今回は僕のアンダーキャストの東龍一と二人で荻野久作という役を相談しながら役作りもできたので、芝居の作り方が新鮮で楽しかったですね。

今回は劇団あかぺら倶楽部の新しい試みとしてアンダーキャストの公演も行われます。本来アンダーキャスト(アンダースタディ)というのは本キャストの代役。いつもは日の目をみないアンダーキャストたちの舞台を、みなさんに観ていただくことで、役者としての経験を積めたらと思い、チャレンジしています。

――― 今回の舞台の見所を教えてください。

あかぺら倶楽部の舞台の持ち味の一つとして、ジタバタコメディーというイメージがあると思いますが、今回はハートフルな心温まる舞台になっていると思います。コメディの要素も入っていますが、そういう部分では、高木渉ってこういう芝居もできるんだ、あかぺら倶楽部ってこんな舞台もできるんだなと思ってもらえたら嬉しいですね。

――― 最後にメルマガの読者へひとことお願いします。

物語はとてもいい話です。じーんとする温かい気持ちを家まで持って帰っていただく、そんな舞台にしたいと思っています。劇場でしか観る事が出来ませんので、是非足を運んでくださると嬉しいです!!


〜『声優になる!マガジン』編集部の稽古場レポート〜

本番直前、先週末に劇団あかぺら倶楽部第25回公演『法王庁の避妊法』の稽古場にお邪魔してきました。当日は通し稽古真っ最中とのことでしたのでぴりぴりした緊迫感漂う稽古風景を想像し少し緊張していましたが、休憩時間中に到着したこともあり稽古場に温かく迎え入れていただきました。編集部から観た稽古場の様子をみなさんにライター橋本がレポートします!!
 
稽古が始まるとすぐ演出の水鳥鐵夫さんが到着。にこやかに挨拶を交わしてくださいました。ですが、稽古風景を見出してからはすぐ演出家の表情へ。稽古を見つめる真剣な眼差しは先ほどの笑顔とは打って変わったプロの顔です。

役者の皆さんも真剣に稽古を通しています。自然と観ている私たちも舞台に意識が集中していきます。知らず知らずのうちにその舞台に引き込まれてしまいました。

まだ稽古なので掛け声でのきっかけや暗転、役者さん方の出や掃けが完全に見えてしまっています。しかし、そんなことなど気にもせず、芝居の続きを期待している自分がいました。『法王庁の避妊法』という脚本が優れているのは言うまでもありませんが、劇団あかぺら倶楽部の皆さんの実力を垣間見せてもらった気がします。

シーン途中での小返し(演出や演技の見直し)では、瞬間的に水鳥鐵夫さんの言葉を聴くために全スタッフが一斉に集まります。誰の指示もなく当然のように役者として出演していない人まで含めて無関係な係わり方をしていないと感じました。こういった姿勢の先に舞台の質を高めるものがあるのでしょう。

みなさんご存知、代表兼主役を務める高木渉さん。演技もさることながら、以前のインタビュー時にうかがった主役であることの役割を感じさせてくれました。主役として演技で引っ張っていくことはもちろんですが、その場の雰囲気や空気を作っていく大切な役割です。ダメだしで固まっていきそうになる空気を絶妙なタイミングで笑わせてくれ、場の空気のなごましていらっしゃいます。自分自身の演技での責任分担のほかにその場全体のまで意識されているのを感じました。

時間の関係で後ろ髪引かれる思いで途中退席をしてしまいました。最後まで見たい!! 間違いなく本番はより完成された素晴しい舞台になることでしょう。

性という社会的タブーと生命の創造という人間的タブーを研究した主人公・荻野久作を巡る人間ドラマは、ほほえましく、時に考えさせられ、でも温かな気持ちをもらえる舞台です。

皆さん是非会場に足を運んでみてください。アニメとはまた違う感動、生きた演技を五感で感じられるはずです!! 声優や俳優を志す人は、必ずや何か得るものがあると思います。何よりただ無心で楽しんでほしい素敵な舞台です。

※劇団あかぺら倶楽部の皆さん色々とありがとうございました。スイカおいしかったです。
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編 集 後 記
声優になる動機や目指している人の気持ちの倫理観のようなものを責める人を時々見かけます。確かにそれは大事なことですが、それをいかに正しく持っていたとしても他人をそれで裁く必要はありません。悔しさという大事なキーワードを置鮎さんは何度も口にしました。でも悔しがるだけでないこと。大切ですね。(Hashimoto Takahiro)
問 い 合 わ せ
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