|
前回の練習の成果を試してみましょう!朗読に挑戦です。
●宮澤賢治作「風の又三郎」の一部です。旧仮名遣いに注意して朗読しましょう。
さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光は運動場いっぱいでした。黒い雪袴(ゆきばかま)をはいた二人の一年生の子がどてをまはって運動場にはひって来て、まだほかに誰も来てゐないのを見て 「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかはるがはる叫びながら大悦び(おおよろこび)で門をはひってきたのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ともまるでびっくりして棒立ちになり、それから顔を見合わせてぶるぶるふるへました。がひとりはたうとう泣き出してしまひました。
[解説] 出版されている本によって現代仮名遣いで書かれているものもあります。今回のものは原作に忠実な文体になっています。 「まはって→まわって」「はひって→はいって」「ゐない→いない」 「かはるがはる→かわるがわる」「ふるへ→ふるえ」「たうとう→とうとう」 「しまひました→しまいました」 このように正しく発音できましたか?
現代仮名遣いのものを読めば簡単ですが、旧仮名遣いが入っていると朗読するのも難しいものです。でも、書かれたその時代の雰囲気が伝わってくるような気がします。ゆったりとしたやわらかい気持ちで読むと相手にもそれが伝わるのではないでしょうか。
|
|
|