声優になる!マガジン
2005.07.13  vol. 50
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
今週からは、声優としても、女流講談師としてもご活躍している一龍斎貞友さんです。声優では、『ちびまるこちゃん』お母さん役、『クレヨンしんちゃん』マサオくん役、『忍たま乱太郎』しんべヱ役など、みなさんご存知の人気アニメで魅力的な役を演じていらっしゃいます。今回は全5回のロングインタビューです。ご自身の経験から、様々なアドバイスしてくださっていますので、声優になりたい人は見逃せません!!
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私が声優になったワケ
声優・講談師の両輪で、芸と自分を磨いていく。一龍斎貞友インタビューVOl.1
今週からは、『ちびまるこちゃん』お母さん役、『クレヨンしんちゃん』マサオくん役など人気アニメの声優と女流講談師という伝統芸の世界、両方の世界で活躍されている一龍斎貞友さんにご登場いただきます。インタビューでは、ちゃきちゃきされ、朗らかな一龍斎さんでしたが、どんな幼少時代を過ごされたのでしょう。第1回目は子供時代のお話です。
■ Profile ■
一龍斎貞友(いちりゅうさいていゆう)
6月20日生まれ。大阪府出身。ぷろだくしょんバオバブ所属。声優であり、女性講談師でもある。声優としては『ちびまるこちゃん』お母さん役、小杉役、『クレヨンしんちゃん』マサオくん役、『忍たま乱太郎』しんべヱ役など人気アニメだけでなく、CM、ナレーション、ラジオなど幅広い分野にて多数出演。また一方では、人間国宝の一龍斎貞水に入門。平成16年には女流講談師として真打昇進。現在は声優・講談師の2足のわらじで活躍中。
一龍斎貞友・公式サイト
ぷろだくしょんバオバブ公式サイト






本を読むのが何よりも好き
――― 一龍斎さんはどのような子供だったのですか?

今の私からは想像も出来ないかもしれませんが(笑)、実は未熟児で生まれてきたんです。小さい頃から体が弱くて、家の中でじっとしている子供でしたね。

そのせいか、子供の頃から本を読むのが大好きで。活字中毒みたいな子でしたから学校の図書館の本にある本はほぼ読破しました。母もいろいろ本を買ってくれましたが、あんまり読み過ぎていたので、「たまには漫画も読みなさい」と無理やり漫画を読まされることもありました。読み過ぎは目も悪くなるくなるからと、本・禁止令が出たこともあります。

読んでいた本は、世界の名作文学系。ませていたのか、ドフトエフスキーとか心理学とか、小・中学生にしてはかなり堅い本もありました。その反動で、今はまったくそういう部類の本は読みたいとは思わなくなりましたが(笑)。

――― 外で遊んだりはされなかったのですか?

小さい頃は体が弱く、運動そのものを止められていたので、ほとんど家にいましたね。大きくなるにつれて、運動は徐々にできるようになりましたが、体はやっぱり硬いですね。今ではスキーやゴルフなどもするくらい元気になりました。

――― さぞ、ご両親も心配されたと思いますが、どんなご家庭だったのですか?

厳しい家庭でした。特に父がです。朝早く起こされて新聞を読まされたり、この記事についてどう思うかというようなディスカッションをさせられたりする家庭です(笑)。映画や演劇などを観に行くのに先生が同伴でも「まだうちの子には早いと思います」と抗議する父でした。近隣でも、とにかく怖い父で有名でしたね。

家族で旅行に行くときは、事前にその場所のことを調べさせられるんです。レポートのようなものも書かされました。学校の修学旅行よりはるかに勉強しました(笑)。行く場所も神社や仏閣といった子供の喜ばない場所ばかり。旅行へ行ったら行ったで、そこでまたお坊さんの話を聞いたのをメモを取らされて・・・。帰ってきてからは、旅行の感想を言わされました。ですから子供の頃は旅行が楽しくなかったですね(笑)。学校へ行っている方がよっぽど楽しかったです。

母は母で市販のドリルなどの他に、手製の問題集を作ったりしてくれ、すごく教育熱心だったと思います。

でも、父は昔ながらの人間でしたので、基本的には女性には教育は要らないという考えでした。こんな風にするのは、素養として知識が必要だということを教えたかったようですね。その反動で今はこうなったのかもしれません(笑)。

小さな頃から本を読むのが好きでしたので、本を読んで聞かせるような仕事がしてみたいとは思っていましたが、お芝居をするなんてとんでもないという家庭でした。必ず父が一緒でなければダメですが、でもお芝居を見ることは大好きでしたね。
両親の期待に応えることへの限界
――― 本を読むことからお芝居へ興味が移ったきっかけみたいなことはあったのでしょうか?

小学校のときの国語の先生がお芝居が好きな先生だったのです。授業でちょっとした芝居のようなものをやらされたのがきっかけかもしれません。そのときにお芝居って楽しいかもって思いました。本を朗読したりすることは、お芝居にも通じるところがあると思います。

実は、文章の音読は父の前でやらされていました。作文や、感想文は必ず書いた後父の前で発表しなくてはいけなかったんです。そしてチェックが入って手直ししてまた発表する感じです。嫌々だったのですが、今となっては役にたっていると思えることも多いですよね。

――― とても厳格な家庭で育った一龍斎さんですが、役者を志すような進路選択はどうされたのですか?

学校の先生になるならという条件で、ある学校を受験しました。特待生として奨学金が出るということでしたので、許してもらえたんだと思います。

その学校には受かったのですが、どうしても嫌になってしまい途中で辞めて飛び出してきてしまいました。半分家出のようなかたちです。小さい頃は両親の期待に応えることが楽しかったりもしましたが、この頃になると、このままでいいのかなとか、自分の中で疑問や限界を感じるようになったんです。

今考えると、両親としては小さい頃体が弱かったこともあり心配だったのだとは思いますが、あまりにも禁止事項が多すぎて自我が目覚めてきた頃には、やはりその生活を続けていくことは無理だったのだと思います。厳しくされすぎた反動でしょうね。学校を辞めたときには両親は相当失望したと思います。

学校を辞める前に、転がり込む友達にはあたりをつけておいて、東京へ行きました。締め付けが厳しければ厳しいほど、それに反発する気持ちも強くなります。とにかく、ここから飛び出したい、自由に好きなことをやりたい一心でした。両親は、私が役者を目指すことについて絶対反対でしたが、そのときはもうあきらめていたようです。

次号(7/27配信)もお楽しみに!!
<取材協力店>
キャス・クルート 
TEL:03-5487-3608
東京都目黒区下目黒1-3-4 ベルグリーン目黒 B1
11:30〜14:15(L.O.13:30)
18:00〜22:30(L.O.21:30)
月曜定休

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム




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前回の練習の成果を試してみましょう!朗読に挑戦です。

●宮澤賢治作「風の又三郎」の一部です。旧仮名遣いに注意して朗読しましょう。

さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光は運動場いっぱいでした。黒い雪袴(ゆきばかま)をはいた二人の一年生の子がどてをまはって運動場にはひって来て、まだほかに誰も来てゐないのを見て
「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかはるがはる叫びながら大悦び(おおよろこび)で門をはひってきたのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ともまるでびっくりして棒立ちになり、それから顔を見合わせてぶるぶるふるへました。がひとりはたうとう泣き出してしまひました。

[解説]
出版されている本によって現代仮名遣いで書かれているものもあります。今回のものは原作に忠実な文体になっています。
「まはって→まわって」「はひって→はいって」「ゐない→いない」
「かはるがはる→かわるがわる」「ふるへ→ふるえ」「たうとう→とうとう」
「しまひました→しまいました」
このように正しく発音できましたか?

現代仮名遣いのものを読めば簡単ですが、旧仮名遣いが入っていると朗読するのも難しいものです。でも、書かれたその時代の雰囲気が伝わってくるような気がします。ゆったりとしたやわらかい気持ちで読むと相手にもそれが伝わるのではないでしょうか。
新刊!CD未収録の音声ファイルがダウンロードできます。
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編 集 後 記
今回は講談師として真打ちも務められている一龍斎貞友さんのインタビューです。独特の口調と声質で個性ある魅力的なキャラクターを演じられていますが、お会いしてご本人もとても向学心溢れる、未だにご自分の可能性を探し続けている魅力的な方でした。是非参考にしてみてください。(Hashimoto Takahiro)

<お知らせ>
いつもご愛読いただきありがとうございます。次週は、システムなどのリニューアル準備のため1週お休みさせていただきます。次号からは、インフォメーションコーナーのコンテンツが増えたり、内容もプチリニューアルする予定です。みなさん楽しみにしていてくださいね!!
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