2005.08.31 　vol. 55

声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。 声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。

こんにちは。 雷鳥社「声優になる！マガジン」エディターのイタガキです。 「声優さんになりた〜い！」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。 今週からは人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のステラ・ルーシェ役など様々な分野でご活躍する人気声優・桑島法子さんです。声優になる方法は、本当にいろいろです。みなさんも演じたい気持ちは強いですか？　それでは、お楽しみに！！

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私の声、私だけにしかできないことを大事に演じていきたい。桑島法子インタビューVOL.1 人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のステラ・ルーシェ役はじめ、宮沢賢治の詩の朗読などを各地で開くなど、様々な分野でご活躍中の人気声優・桑島法子さんが登場です。声優になったきっかけは？　声優の仕事の魅力は？全５回のロングインタビューでたっぷりお届けします。今週は、声優を志すきっかけのお話です。 ■ Profile ■ 桑島法子（クワシマホウコ） 岩手県出身。青二塾東京校卒業。青二プロダクション所属。人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のステラ・ルーシェ役、『魔法少女隊アルス』シーラ役、『機動戦艦ナデシコ』ミスマル・ユリカ役、『無限のリヴァイアス』蓬仙あおい役、『犬夜叉』珊瑚役など、人気アニメーションをはじめ、ゲーム、ラジオなど様々な分野へ出演。また、宮澤賢治の朗読も自身のライフワークとし朗読会などを開催するなど活躍場は広い。 青二プロダクション

映画に出てみたいな・・・ ―――　桑島さんが声優という職業に興味をもたれたのはいつ頃だったのですか？ 声優という職業を意識するようになったのは小学生の頃です。４、５年生ぐらいだったかな。叔父の家にあった「未来少年コナン」のビデオを見て、とても面白く感じて・・。小さい頃にも見た記憶がなんとなくあるのですが、この時に改めて見て、何故かはまってしまいました。 ビデオが普及する直前だったので、ビデオソフトも今より高かったのですが、叔父にせがんで「未来少年コナン」を全巻揃えてもらいました（笑）。叔父が買ったビデオなのに、最終的には我が家のものみたいになっていましたね（笑）。 その後、「風の谷のナウシカ」、「天空の城ラピュタ」立て続けに同じ宮崎駿監督の映画を観て…。それはもう子供心にもの凄い衝撃を受けました。なんとなくですが、「いずれは、宮崎作品に出てみたいな」という気持ちがいつの間にか膨らんでいきました。 声優という職業を知ったのは、エンディングのテロップで流れてくる方々の名前を見たときかな。それで、声優になりたいと思い始めました。 ―――　その時以降ずっと声優になりたいと思い続けられたのですか？ はい。それに関してだけは変りませんでしたね。 ―――　部活動は何をされていたのですか？ 自分に合わないなと感じながらも、中学校のときは剣道部に所属してましたが、結局１年ほどで退部してしまいました。 そのあとは、やはり演じてみたいという気持ちが大きくなって・・。学校には演劇部がなかったので、演劇部を作りたいと思い、先生へ相談に行ったんです。「５人集めれば部や同好会として認められると生徒会規則にはあるし、そんなにやりたいなら俺が顧問をやってあげてもいいよ」と先生が言ってくださいました。 ―――　演劇部へ人は集まったのですか？ 友達や、今所属しているクラブに満足していない人たちに声をかけたら、すんなり５人集まりました。中学２年の春に発足したので、新1年生がけっこう入ってくれて、最終的に24名で活動開始しました。できたばかりの部活という期待感や目新しさもあったのかもしれませんね。ほとんどが女の子でしたよ。 当然言いだしっぺである私が部長です。文化祭や催し物で発表できるように発声練習なども結構頑張っていました。ただ、やる気がある人ばかりではなかったので、まとめるのが大変でしたね。みんな、演劇部に入る動機が不純だったでしょ（笑）。やる気のある人の割合が少なかったんです。私一人だけ一生懸命で、空回りしてしまっていたような・・そんな感じだったような気がします。 演じることが自己表現 ―――　桑島さんはそれまでに何かで演劇経験があったのですか？ 小学生の頃からお芝居をしたかったのですが、なにぶん岩手の田舎なのでそういう場所はほとんどありません。幼稚園時代から「ピーターパン」が演じたかった私は、小学２年生のときに勝手に企画して、クラス皆で「ピーターパン」をしましょうということを提案したりしましたね。 もちろん台本を書いたのも、ピーターパンを演じたのも私（笑）。普段の私はとても静かでおとなしく、クラスの中でも目立たない方のでしたので、担任の先生もこんな静かな子がやりたがるなんて面白いと感じてくれてたみたいです。それに、演劇は情操教育になるということもあり、先生から協力を得られたのだと思います。その後も一人芝居というと大げさすぎますが、そのようなことをやったりしてました。 ―――　演じたりすることが好きな子供だったのですね。 普段は自己表現の苦手な子供だったのですが、演じるということでは別でしたね。それで、発散していたのかも（笑）。とにかく小さな頃からお芝居をしたいと思っていましたから、“演じること”は私にとってに本当に楽しかったんです。 当時NHKなどで舞台中継されていた、劇団四季の子供ミュージカルなどは大好きでしたね。それにかなり影響されていたところはあります。ビデオのない時代だったので、舞台の中の歌のフレーズを必死に覚えていました。そして、TVで一度観た記憶だけをたよりに、演じたりしながら楽しむんです（笑）。 あとは野田秀樹さんのプロデュースする舞台の中継も同じく放送されていたので、それもかかさず観ていましたね。ようやく家にビデオデッキが入ってきた時は、録画をして台詞を全部暗記するぐらい何度も何度も見ていました。野田秀樹さん主宰の劇団「夢の遊眠社」が解散する前後の時期だったと記憶しています。 あとは宝塚かな。中学時代はＴＶ中継をビデオに録ってひたすら見ていました。そういった意味では、周りとは違って、少し変った子供だったかもしれませんね。その頃は声優はもちろんですが、演じるということを職業にしたいと考えていました。 ―――　ご両親はそんな桑島さんをどのように思っていたのでしょうか？ 私の親も少し変った親でしたので、自由に子供の自主性を尊重してくれました（笑）。特にこうしてはいけないというようなこともなく、なりたいのならば、あまり親に迷惑をかけなければなってもいいよという感じでしたね。 ―――　中学時代の演劇部ではどのような題材を選ばれたのですか？ 学校演劇の脚本集などから選んだりしました。途中で顧問の先生が家庭科の先生に代わったりしたこともあって、その先生が人形を作るので人形劇をしてみよういうことにもなりました。「ヘンゼルとグレーテル」とかアンデルセン童話などもやりましたね。幼稚園などにも実際に訪問しましたよ。 本当に好きなように活動させてもらいました。ただ私自身としては演劇部としての活動も、その内容ももうすこし、しっかりしたものをやりたいと思っていたのですが、顧問の先生も演劇経験がある方ではなかったですからね。部というよりも同好会に近かったのかもしれません。結局せっかく作った演劇部も私が卒業して２年ほどで人が足りなくなって、残念ながら廃部になってしました（笑）。 次号（9/7配信）もお楽しみに！！

	声優ってどんな仕事？　どうしたらなれるの？　なるにはどんなトレーニングが必要なの？　そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』（雷鳥社）という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。
東京・荻窪にある声優・俳優養成所松濤アクターズギムナジウム 基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円（税込み） 基礎から始める殺陣・アクション入門 雷鳥社/1‚575円（税込み）	ラジオドラマとはどんなものなのでしょうか？　ちょっと覗いてみましょう。 ●次の1〜4はラジオドラマに関する文です。文中の（　）にあてはまる言葉をA〜Dから選びましょう。 （１）ラジオドラマは（　）がなく、セリフと効果音で構成されたものである （２）の考えや人柄がわかるように、声だけで表現しなくてはならない （３）セリフをいうタイミングは、自分の（　）と自分の間によってはかる （４）自分なりの（　）の使い方で演技ができるので、声優にとってやりがいのある仕事だ Ａ．呼吸 Ｂ．声 Ｃ．映像 Ｄ．登場人物 ［解説］ （１）C （２）D （３）A （４）B ラジオドラマは、アニメや洋画のように映像があるわけではないので、声のみによる演技力、表現力が問われるものです。実力がないとできませんが、自分のタイミングで演技ができ、やりがいのある仕事です。 ラジオ以外でもCDドラマなど、セリフと効果音だけで構成されている作品がたくさん市販されています。たくさんの作品を聴いて自分なりに練習してみましょう。	朗読ナレーショントレーニング　日本の名作を演じる（CD付） 新刊！CD未収録の音声ファイルがダウンロードできます。 雷鳥社/1‚890円（税込み） はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編（CD付） 雷鳥社/1‚890円（税込み） 声優になるための練習問題100 雷鳥社/1‚470円（税込み）

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	編 集 後 記
	数多くのアニメ、ゲームなどの作品で主演されている桑島さんのインタビューです。独特の雰囲気をもった個性的で素敵な女性でした。幼い頃から演じることがとにかく好きだったようです。そして普段はおとなしくても好きなことには積極的に行動するという桑島さんらしさは今もそのように感じました。桑島さんらしいインタビューになっていると思います。お楽しみに。（Hashimoto Takahiro）
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