声優になる!マガジン
2005.11.17  vol. 63
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。堀川りょうさんのインタビュー4週目。華やかに見える世界に惹かれるみなさんは多いと思いますが、実は目に見えない地道な部分が大事だということに気づきます。では今週もお楽しみに!!
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秋のOne Day Lesson開催!11/23(祝)&12/23(祝)
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私が声優になったワケ
人間力を磨き、役者として魅力ある生き方をし続けたい。堀川りょうインタビューvol.4
16歳で役者になると決めてから、演じることへの情熱を燃やしながら、どんどんキャリアアップしてきた堀川さん。今週はそんな堀川さんが後進育成に携わっているお話をお伺いいたします。これから声優や役者を目指そうとするみなさんにとって、とても大事なメッセージです。
■ Profile ■
堀川りょう(ほりかわりょう)
幼い頃より子役としてデビュー。東映TV「座頭市地獄旅」、松竹系「鞍馬天狗」杉作役などに出演。現在も舞台や映画、Vシネなど活躍の場は広い。また、声優としても人気アニメ「ドラドンボールZ」ベジータ役、「夢戦士ウイングマン」広野健太役、「聖闘士星矢」アンドロメダ瞬役、「GS美神」横島忠夫役、「名探偵コナン」の服部平次役など多数出演。その他ゲーム、ラジオ、CDなど声優・役者とマルチな才能をいかし多彩な分野で活躍し続けている。
アズリードカンパニー

■堀川りょうのラジオ放送!!
パケdioチャンネル
毎週月曜日24:30〜 オンエア中
(ラジオ日本1422kHz)



■堀川りょうさんのブログが近日中にスタート
します。みなさんHPを要チェック!!



自分の中のモアベターを探し続ける
――――堀川さんが役者であること、演じることに対する気持ちが並々ならぬことが、すごく伝わってきますが、その気持ちが揺らぐことはなかったのでしょうか?

それはありますよ。中学の頃とかやはり思春期だった頃、ほんとに自分はこの道でやっていけるのだろうか?果たしてできるのかな?と思ったことはあります。子供で幼かった頃は何も考えずにただ遊ぶのと同じ感覚でやっていましたが、少し成長して考えられるようになるとやはり迷いが出てきます。でも僕は比較的早く決断したんです。16歳のときには自分が役者で生きると決断しましたからね。それ以降は迷わずに済みました。

――――その決断が16歳とは早いですよね。では、演じることそのものを辞めようとはそれ以降一度も思わなかったのですか?

そうですね。もう決意してしまったから迷いませんでしたね。僕にとっては、それが原点。そのためには何が必要か?どうしなければならないのか? ということで迷うことはあってもその原点は揺れ動くことがないので、原点のある土台そのものを取り替えるということは考えませんでしたね。

そこが決まってからというもの、ほんとに役者としてこれでいいのか?とかやればやるほど自分がまた嘘の演技をしているとか役者としての自分の未熟さを思い知らされることばかりです。

今もずっとそうですけどね。これでいいという満足はできません。それにこれでいいと満足してしまったらそこで止まってしまいます。ですからどんなベテランであっても新人であってもそれは同じこと。カメラ前であれ、マイク前であれ、ステージ上であれ、一つの作品の中では同じ演者なわけですから、常に自分がリニューアルといいますか、新陳代謝が可能な状態でなければならないと感じています。それは、キャリアを積めば積むほどそのことが1番重要なような気がしますね。それが出来ないと自分にとっても新鮮味がなくなってくると思いますし、死ぬまでその気持ちを持ち続けられることこそが現役でいられる証かなと思います。自分にとってのモアベターを探し続けていくことが重要だと思いますね。

――――その探究心や向上心こそが、堀川さんが声優としてのデビュー作以降、ヒット作品のレギュラーを確実に獲得されてきた理由のような気がしますが・・・。

僕は運によるところが、とても大きいですよ(笑)。でも、もしその運を呼び寄せるコツがあるとするならば、何度もお話してしまいますが、やはり、感謝するということにつきると思います。それが出来ているとスタッフ、先輩、共演者、多くの方に目にかけていただけるようになります。そして次の仕事へのいい流れになる。その流れを実感できると自然に当たり前に感謝できるようになります。

今は、僕よりも若い世代の方々に流れを渡していく義務があると思っています。今まで自分がいただいたものを後輩たちに返していきたいと思っていますね。
エンターテインメントとは人に残された最後の砦
――――堀川さんは声優や役者を目指す方を育てる養成所などにも関わっていらっしゃいますが、そちらではいかがですか?

後進育成という思いもあって、養成所を作らせていただきました。今は、僕たちの頃にはなかったメディア第3のメディアということでゲームやインターネットが出てきています。ビデオやゲームもなかった時代で鼻たらして外を走り回っていた(笑)僕の時代とはやはり違い、幼児体験の変化は今と昔では大きな差になっていると思いますね。今の社会というのは昔から比べると、人とのコミニュケーションを少なくても生活できる環境があります。その環境で幼少時代を過ごしている人がこれからどう育っていくのかにも、興味があります。でも、決して悪いことばかりではないと思いますよ。僕らの時代とはまた違った感性が育つと思いますし、確実に賢くなっていると思います。

ただ、表現するという部分においては、人とのコミニュケーション不足な部分が足かせにならないといいなとは思いますね。多くのことを機械やコンピュータソフトで便利に行えるようになってきていますが、絶対に人でなければ出来ない部分って残されていると思うのですね。今や機械が自動音声によってしゃべるようになっていますが、それはやはりエモーショナルではありませんよね。演ずること、歌うこと、エンターテイメントは人間に残された最後の砦だと思っています。人間の一番感性に根ざした部分だと思いますから。

――――養成所の生徒さんには、どのようなことをお話されていらっしゃるのですか? 演技や表現のことなどですか?

私は具体的に授業は持っていません。講師はほかの先生方にお任せしています。たまに行って勝手なことを言って帰ってくる感じかな(笑)。僕自身、人が人に確実に教えることが可能なことというのは、発声や滑舌のようなフィジカルな部分だけではないかと思っているんです。感性を磨いたり作っていくのは、各々自分自身の問題であり、自分で掴み取っていくしか根本的な方法はないと思いますし、演技の仕方なども感性の問題になってしまいますからね。

芸事は模倣からと言われるように、最初は徹底的に真似をしてという方法もありますが、やはりどんどんやっていくと自分で何とかしなくてはならないということに気づくと思います。教えてもらうのではなく、自分で作り出していくことが基本でなんです。ひな鳥が口をあけて餌をもらえるのを待っているかのような感覚では、何も手に入れられないと思います。自分で飛べるようになって、自分で餌を捕まえられるようになるのは、自分自身がそうなるための意識を持つかどうか。そういう意識を持ちなさいとは伝えてはいますが、それを実行するかどうか、あとは本人の問題ですね。

厳しいようですが、それによって当然の淘汰されることがあると思います。でも、僕たちはそれを言い続けていく、身を持って示し続けていくことが大事だと思っています。僕も伝えることをあきらめない。だからみなさんも、はじめはそのことが分からなくて迷って悩んだりしても、演じたい、声優になりたいという気持ちを持ち続けて、夢をあきらめないでほしいと思うんです。
演じ続けるためには基礎が大事!!
――――今は、その感性の部分にスポットがあたり、基礎をおざなりにすぐ感性の部分へと進む方が多いと聞きますが、その点はいかがですか? 

いかにも簡単そうで楽しそうな部分に見えることも多いのですが、感性や個性というのは1番やっかいで、実は1番難しい部分なのです。そこが演技の上で1番至難の技。多くの皆さんが認識しないまま、その至難な方向に向かっていってしまいますよね。きっといろんな養成所の講師の方々は、そういうことを噛み砕いて伝えてくださっていると思いますが・・・。簡単そうに見えてしまうのはそれで仕方のないことかもしれませんね。人は見えてしまうものに囚われてしまいますからね。

基礎体力・発声・滑舌など、基礎の重要さは、今になってより強く認識するようになりました。基礎の部分があるかないかで、演じ続けられるかというところが決まるといっても過言ではないんです。ですから今は必ずストレッチや発声などはするようにしていますね。ある程度年齢を重ねてくると、やはり昔よりは体力が自然と落ちてきます。しかし、そこでようやく気づくのです。今までやってきた基礎訓練おかげで、思ったよりは下がらないなぁとか。

私が演じてきたキャラクターはわりと叫ぶことが多かったので、喉を鍛えていないとつぶれて声が出なくなってしまいます。昔の役者は「出なくなるのだったら辞めちまえ!」って感じでしたから(笑)、基礎の部分で鍛えておくことは当然でしたね。実は、基礎が一番簡単。しっかり続けていけば、着実に身に付いていくものなんです。

次号もお楽しみに!!

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所松濤アクターズギムナジウム









基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円(税込み)
アニメの収録に必要なこと、ものをチェックしましょう!

●【1】〜【5】はアニメの収録に関する文です。文中の(  )にあてはまる言葉をA〜Eの中から選びましょう。

【1】台本の直しが入ることもあるので、赤と黒の(  )を持っていく
【2】アニメの収録では(  )の動きにあわせてセリフをいう
【3】収録のときにはまだ(  )が入っていない
【4】台本には書いていない(  )が入ることもある
【5】画面にキャラクターの顔が出ていない場面でのセリフは、台本に(  )と書かれていることが多い

A アドリブ  B ペン  C 口  D オフ  E 効果音

[解説]
【1】B 収録当日に台本の訂正がはいることがある
【2】C キャラクターが本当にしゃべっているように口の動きにあわせる
【3】E 効果音はアフレコ収録の後に入れられる
【4】A いきなり本番でアドリブを入れるベテランも多い
【5】D 声だけが入る場合は「オフ(OFF)」と書かれている

アニメの収録では、キャラクターの口の動きにセリフをあわせます。とはいっても、収録の時点では、絵がまだ完成していないことの方が圧倒的に多いのです。話しはじめるタイミングの目安のひとつとして「赤線」があります。赤線が画面に見えたら話しはじめ、見えなくなったときにセリフを終えます。中には数字だけが表示されていて、その秒数の間にセリフを話すというパターンもあります。

放送される作品にはさまざまな効果音が入っていますが、これもアフレコの段階ではまだ収録されていません。出演者である声優も放送されてはじめて絵と効果音の入った完成作品を見ることができるのです。
時計がなくても秒数を感覚でわかることは声優にとって、とても有利です。ストップウォッチを手に時間の感覚を磨いてみましょう!


朗読ナレーショントレーニング 日本の名作を演じる(CD付) 新刊!CD未収録の音声ファイルがダウンロードできます。
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声優養成トレーニング教材
地方にいて、養成所へ通えない!!養成所へ入る前に少しでも訓練をしておきたい!!そんな読者の方のための、松濤アクターズギムナジウム監修の声優養成トレーニング教材(15‚000円税込み)です。詳細は雷鳥社までお問い合わせください。





声優になるための練習問題100 雷鳥社/1‚470円(税込み)


声優オススメ情報




松濤アクターズギムナジウム 福岡ワークショップのお知らせ
福岡にて、松濤アクターズギムナジウムの体験レッスンが行われることになりました。松濤アクターズギムナジウムのレギュラー講師が演技の基礎の基礎をレッスンします。プロの現場で活躍している講師がプロの声優や役者になるために必要なことをきちんと伝えるための体験レッスンです。東京への上京を考えていたり、将来声優・俳優を目指したいと思っている人は、是非参加してみてください。きっと大事な1歩になるはずです。定員がございますのでお早めにご応募ください。

■日程:11月27日(日)
■時間:13:30〜16:30
■場所:地下鉄天神駅そば
参加料金:無料

お申込み・お問い合わせは、松濤アクターズギムナジウムホームページかお電話03−5310−3535にてお問い合わせの上、資料請求をしてください。

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編 集 後 記
よく聞く話ですが、声優=俳優であるということを皆さんはどこまで意識していますか?堀川さんはナチュラルに気負わず、具体例を挙げて話してくれました。声優はときに、歌手、タレント、ナレーターとしての役目もしなければならないこともありますが、その根幹に演技が出来るという役者の本質が必要だと改めてうかがった気がします。(Hashimoto Takahiro)

編集部より
いつもご愛読いただきありがとうございます。今週はすみません、1日遅れての配信です。次号は通常通り水曜配信になります。今後ともよろしくお願いいたします。
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